塩浜駅

塩浜駅：近鉄とJR貨物が隣接する三重の駅

概要

三重県四日市市に位置する塩浜駅は、近畿日本鉄道（近鉄）名古屋線と日本貨物鉄道（JR貨物）関西本線貨物支線が乗り入れる駅です。近鉄の駅番号はE24です。近鉄とJR貨物の駅は隣接していますが、軌間の違いから線路は接続しておらず、完全に独立した構造となっています。これは、日暮里駅や横浜駅、幕張本郷駅などでも見られる特徴です。

近畿日本鉄道 塩浜駅

歴史

塩浜駅の歴史は古く、1919年（大正8年）10月25日、伊勢鉄道の楠駅～海山道駅間の開通と同時に開業しました。その後、伊勢鉄道は伊勢電気鉄道に社名変更、さらに参宮急行電鉄、関西急行鉄道と合併を経て、1944年（昭和19年）6月1日には近畿日本鉄道の駅となりました。1986年には橋上駅舎化、2007年にはPiTaPaとICOCAに対応するなど、時代に合わせて改修を重ねています。

駅構造

島式ホーム2面4線を有する地上駅で、橋上駅舎を備えています。ホームは6両編成に対応した長さで、改札口は1ヶ所のみ、東西それぞれに1ヶ所の駅出入口があります。近鉄塩浜検修車庫（車両工場）と塩浜列車区が隣接しており、多くの列車がここで乗務員交代を行っています。トイレは改札内橋上駅舎内に設置されています。2番線と3番線が主本線、1番線と4番線が待避線となっており、1番線からは名古屋方面への発車も可能です。

駅設備と営業面

近鉄四日市駅の管理下にあり、有人駅として営業しています。PiTaPa・ICOCA対応の自動改札機、自動精算機、定期券・特急券専用自動券売機などが設置され、液晶ディスプレイ式の列車案内装置も備えています。特急以外の全一般列車が停車します。急行は特急の待避を行うことが多く、伊勢若松駅や江戸橋駅と同様に、名古屋線における重要な待避駅となっています。

ダイヤ

日中の普通列車は、概ね毎時1本が特急の待避を行います。朝と日中時間帯には一部の急行が特急を、日中時間帯には普通列車が特急を待避します。早朝と夕方以降には、名古屋・四日市方面から当駅を発着する普通列車も設定されています。2021年7月以降、日中の一部普通列車は当駅で折り返し運転を行うようになり、当駅以南へ向かう普通列車は毎時2本に増えました。

利用状況

近年、塩浜駅の1日平均乗降人員は7000人前後で推移しています。2023年11月7日の乗降人員は7155人でした。

JR貨物 塩浜駅

歴史

JR貨物塩浜駅は、1944年（昭和19年）6月1日に国有鉄道の駅として開業し、貨物営業を開始しました。その後、専用線発着への限定、コンテナ取扱いの開始と廃止を経て、1987年の国鉄分割民営化によりJR貨物が継承しました。専用線発着コンテナの取扱いを再開しましたが、再び廃止。近年では、タンクコンテナによる酸化エチレン輸送などを行っています。

駅構造

近鉄塩浜駅に隣接しており、到着線1線と出発線1線、貨車留置線10本からなる操車場を有しています。構内は非電化で、入換作業はJR貨物のDF200形ディーゼル機関車が担当します。石油輸送用タンク貨車の常備駅であり、四日市駅と留置を分担しています。

専用線

現在、昭和四日市石油専用線のみが接続しています。この専用線は、昭和四日市石油四日市製油所へ伸びており、入換作業は日本通運が保有する小型ディーゼル機関車が行っています。過去には、三菱モンサント化成専用線、三菱油化専用線、三菱化学専用線、石原産業専用鉄道などが接続していましたが、現在は廃止されています。

貨物の取扱

現在、専用線発着の車扱貨物として石油の輸送を行っています。主な発送先は南松本駅です。過去にはコンテナ貨物として化成品の取り扱いもありましたが、現在はトラック輸送に転換されています。

貨物列車

2021年3月時点では、上り列車（四日市方面）は高速貨物列車と専用貨物列車がそれぞれ運行され、下り列車（当駅終着）も同様に高速貨物列車と専用貨物列車が運行されています。

駅周辺

駅名の由来となった塩浜は、かつて周辺に塩田が存在していたことに由来します。駅周辺には、三重交通のバス路線「塩浜駅前」停留所があります。

隣の駅

近畿日本鉄道

■急行
近鉄四日市駅 - 塩浜駅 - 伊勢若松駅
■普通
海山道駅 - 塩浜駅 - 北楠駅

日本貨物鉄道

* 四日市駅 - 塩浜駅

もう一度検索