多摩動物公園

多摩動物公園：日本の動物たちの楽園

東京都日野市に位置する多摩動物公園は、恩賜上野動物園に次ぐ規模を誇る日本屈指の動物園です。1958年の開園以来、広大な敷地を活かし、動物たちの自然な姿を観察できる環境づくりに力を入れてきました。上野動物園の分園としてスタートした多摩動物公園は、開園当初から最新の無柵放養式展示を導入。特に1964年に運行を開始したライオンバスは、世界初のサファリ形式展示として有名です。

園内の構成：地理学に基づいた展示

多摩動物公園は、動物の生息地域別にゾーンを分けた地理学展示を基調としています。園内は丘陵地にあるため起伏に富んでおり、各エリア間の距離も比較的広いことから、園内シャトルバスが運行されています。主なエリアは以下の通りです。

アジア園

オランウータン・スカイウォーク: 9本のタワーとワイヤーロープで繋がる全長約154mの世界最大級のスカイウォークは、オランウータンの運動能力を存分に見せてくれます。2005年にはエンリッチメント大賞 飼育施設部門大賞を受賞しました。
フライングバードケージ: 半円形の巨大ケージ内では、オジロワシやイヌワシが自由に飛び回る様子を観察できます。
アジアの山岳ゾーン: ユキヒョウ、レッサーパンダ、ゴールデンターキンなど、山岳地帯に生息する動物たちを展示。
マレーバクの水辺: 水中を泳ぐマレーバクをガラス越しに見学できる珍しい展示です。
モグラの家: ガラス張りの土中トンネルでモグラの巣を再現。日本最小の哺乳類であるトウキョウトガリネズミも展示されています。
アジアの沼地: コツメカワウソ、インドサイ、スイギュウなど、沼地に生息する動物たちの環境を再現しています。
アジアの平原: オオカミやモウコノウマといった平原の動物を見ることができます。

アフリカ園

ライオンバス: 1964年に運行を開始した世界初のサファリ形式展示。ライオンをバスの中から観察できます。（耐震化工事のため一時休止していましたが、現在は再開）。
サバンナ: 広大な放飼場ではキリンとペリカンが一緒に暮らしています。
チンパンジーの森: 高さ15mのタワーや人工アリ塚など、チンパンジーの運動能力と知性を観察できる工夫が凝らされています。

オーストラリア園

コアラ館: コアラをはじめ、フクロギツネ、フサオネズミカンガルー、フクロモモンガなど、オーストラリアの有袋類を展示しています。

昆虫園

昆虫園本館: 国内外の昆虫の生体や標本を展示。ハキリアリやグローワームの展示は国内唯一です。2005年には「ハキリアリの飼育と展示」で高碕賞を受賞しています。
* 昆虫生態園: 国内最大級の大温室では、チョウやバッタなどが季節に関係なく放し飼いされています。（チョウの通年飼育は日本初）。

多摩動物公園の歴史：数々の飼育繁殖成功例

多摩動物公園は、開園以来、数々の動物の繁殖に成功し、日本の動物園における動物飼育・繁殖技術の発展に大きく貢献してきました。特に、1960年代以降は、アミメキリン、フタコブラクダ、アイベックス、ホッグジカ、ヤクなど、多くの希少動物の繁殖に成功しています。また、2024年には日本国内で初めてゾウの抜歯手術にも成功しました。 開園から現在に至るまで、様々な動物の繁殖、そして飼育技術の向上に力を注いできた歴史があります。 近年では、ゾウの抜歯手術成功や、様々な保全活動への貢献も注目されています。

多摩動物公園で出会える動物たち

多摩動物公園では、アジアゾウ、アフリカゾウ、ライオン、チンパンジー、コアラなど、多様な動物を見ることができます。その数は実に数百種類に及びます。 また、絶滅危惧種なども多く飼育されており、種の保存にも貢献しています。

アクセス

多摩動物公園駅より徒歩すぐというアクセス抜群の立地も魅力です。

多摩動物公園は、動物との距離が近く、自然豊かな環境の中で動物を観察できる素晴らしい動物園です。 一度訪れて、動物たちの魅力を肌で感じてみてください。

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