大和自動車交通

大和自動車交通株式会社

大和自動車交通株式会社は、東京都を拠点にハイヤー・タクシー事業と不動産事業を営む日本の企業です。東京のタクシー業界を代表する「東京四社営業委員会」の一員であり、日本交通、国際自動車、帝都自動車交通と並び、大手事業者として知られています。特筆すべきは、タクシー業界において唯一、東京証券取引所スタンダード市場に上場している点です。

概要

1939年に東京・中野で創業した大和自動車交通は、戦中・戦後のタクシー会社統廃合を経て、業界有数の大手企業へと成長しました。創業家である新倉家が長きにわたり経営を担い、オーナー企業としての側面も持っていました。

2011年6月には、東京地区の中小タクシー事業者23社が加盟する中央無線タクシー協同組合（現在の信和事業協同組合）をグループ化し、車両台数を従来の3倍超となる2,400台規模に拡大しました。

2023年3月末現在、東京都内に6ヶ所の事業所を構え、タクシー2,105台、ハイヤー152台を配車し、2,732名の従業員を擁しています。中央無線タクシー協同組合のグループ化により、東京地区最大手の日本交通（3,170台）や国際自動車（3,050台）に匹敵する規模にまで成長しました。

商標は二重丸に和のマークが用いられています。主要な営業所やビルを自社で保有するほか、燃料販売商社、保険代理店、自社ビル管理会社などを子会社として抱え、ハイヤー・タクシー事業のバリューチェーンをグループ内で完結させています。不動産業においては、17ヶ所の賃貸ビルを所有しています。

沿革

1939年9月 - 新倉文郎により中野相互自動車株式会社として東京都中野区に創業
1945年1月 - 第二次企業合同により同業16社を吸収合併し、大和自動車交通株式会社に商号変更
1949年5月 - 東京証券取引所に上場
1961年 - 新倉文郎の長男・新倉尚文が社長に就任
1972年9月 - 真和タクシー株式会社を買収し、大和交通株式会社に商号を変更（現・大和自動車交通吉祥寺株式会社）
1996年2月 - 柏自動車株式会社（現・大和自動車交通吉祥寺株式会社）を買収
2000年 - 創業時からあった中野営業所の敷地を売却し、江東営業所に統廃合
2005年 - 板橋営業所の敷地を売却し王子営業所に、世田谷営業所の敷地を売却し羽田第一営業所に移転改称
2007年 - 新倉尚文の長男・新倉能文が社長就任。ハイヤーの新橋営業所が銀座東営業所に改称。渋谷営業所が廃止され、新宿案内所が開設
2010年 - 大和自動車教習所（小金井市前原町）を廃止。本社を中央区銀座から江東区猿江に移転。ハイヤーの銀座東・日本橋・五反田・羽田・大手町営業所と新宿案内所、タクシーの府中営業所を廃止
2011年 - 王子営業所を廃止。大和タクシーと大和交通が合併し大和自動車王子となる。10月 - 中央無線タクシー協同組合（現・信和事業協同組合）加盟23社との業務提携契約を締結
2014年 - タクシー営業所（江東・羽田・立川）を分社化。金龍自動車交通（日交足立を経て現在の日交美輝）が日本交通へ営業譲渡され脱退。イオンリテール発行のICカード型電子マネーWAONによる決済サービスを開始
2015年 - 代表取締役社長に前島忻治が就任
2017年 - 東京無線協同組合との提携、東京四社営業委員会からの除名騒動、中央無線タクシー協同組合の信和事業協同組合への改称などを経て、東京無線との間で車体色・行灯の統一ならびにタクシーチケットおよび無線配車の統合を行わないことを条件として、除名問題は和解
2018年 - 東京無線・チェッカーキャブとの3グループ共同によるPC・スマホ配車ウェブアプリ「WEBタクシー」を開始
2019年 - スマートフォン用タクシー配車アプリ「S.RIDE」を導入し、事前確定運賃サービスを開始
2020年 - 大和自動車教習所を吸収合併。丸井自動車の株式を取得し子会社化。「S.RIDE」サービスを多摩地区で開始
2022年 - 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、スタンダード市場に移行。宮園自動車から宮園砿油の株式を取得し完全子会社化
2023年 - 北多摩交通園の十全交通と業務提携
2024年 - 「S.RIDE」アプリ配車専用車の運行を開始。大和自動車交通羽田が大和自動車交通王子に社名変更。大和自動車王子が大和自動車交通吉祥寺に社名変更し、三鷹市下連雀に移転。丸井自動車が大和自動車交通北千住に社名変更

もう一度検索