大川上美良布神社

大川上美良布神社について

大川上美良布神社（おおかわかみびらふじんじゃ）は、高知県香美市香北町にある歴史深い神社です。この神社は、県社に指定された式内社であり、建物に施された精巧な彫刻が印象的です。建造当初は「土佐日光」として知られていました。

祭神

当社の主祭神は大田々祢古命で、他にも大物主命、活玉依比売命、陶津耳命、櫛御方命、飯肩巣見命、美良比売命、健甕槌命などが合祀されています。これにより、多くの神々がこの神社に祀られていることが分かります。

所在地と歴史

神社は国道195号沿いに位置し、道の駅美良布の近く、北へ約100mの場所にあります。神社名に使われている「美良布」という語は、古語で「ニラ」を意味する「みら」に由来しており、当地域の地名である韮生野（にろうの）とも関連があります。ここでは「にらふ」とも読むことができます。

大川上美良布神社は、雄略天皇の時代に創建されたとされていますが、具体的な創建時期は伝説的な要素が強いです。過去の記録によると、平安時代前期の承和8年（841年）以前からこの神社の存在が確認されています。また、927年に編纂された延喜式神名帳にも、その名が記載されています。

古くは「川上大明神」や「大河上宮」とも称され、韮生郷内の50の村々の総鎮守としての役割を担っていました。幕末の1853年には、皇室から勅宣を受けて神階が正一位に昇進しました。

境内の特徴

境内には、樹齢1,000年とされる巨木の杉があり、神聖視されています。この御神木は、高さ約40mに達し、訪れる人々に壮大な印象を与えます。

秋例大祭

祭りは毎年11月2日から3日の2日間にわたり、盛大に行われます。高知県無形民俗文化財に指定された「おなばれ」と呼ばれる御神幸が行われ、様々な伝統行事が実施されます。「おなばれ」では、棒打ち、碁盤振り、神輿行列、鼻高、そして稚児行列が繰り広げられ、特に約5mの棒の先に鳥毛を取り付けた「鳥毛・羽熊」が目を引きます。

また、江戸時代中期から続く通夜殿内の回り舞台では毎年狂言が上演されており、これも地域の文化の一環として評判です。

文化財

大川上美良布神社は重要文化財も多数有しています。特に「袈裟襷文銅鐸」は国認定の重要美術品に指定され、その美しさと歴史的価値から評価されています。この銅鐸は高知県香美郡美良布村で出土し、雨乞いの神事に使われていたと伝わります。また、社殿の構造も特異で、幕末の慶応元年から始まり、明治2年に落成したもので、日本や中国の伝説を刻んだ精緻な彫刻が施されています。

結び

大川上美良布神社は、神話や歴史、地域の文化が融合した場所であり、多くの人々に親しまれています。訪れることで、その深い歴史と文化に触れることができることでしょう。

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