宇宙航空研究開発機構

JAXA（宇宙航空研究開発機構）

概要

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（Japan Aerospace Exploration Agency、略称: JAXA）は、日本の航空宇宙政策を推進するための国立機関です。東京都調布市に本部を構え、内閣府や文部科学省、経済産業省などの省庁が共同でその運営を担当しています。日本の航空宇宙関連の研究開発を行う最大規模の組織であり、2003年に文部科学省宇宙科学研究所、独立行政法人航空宇宙技術研究所、特殊法人宇宙開発事業団が統合されて誕生しました。

目的

JAXAの主な目的は、宇宙科学に関する学術研究や宇宙技術の基礎研究を行い、人工衛星やロケットの開発・運用に関わる業務を進めることです。また、宇宙基本法に則り、宇宙の平和的利用を促進するための計画的かつ総合的な取り組みを行っています。

沿革

統合時の状況

JAXA設立の背景には、日本の宇宙開発における信頼回復がありました。設立直後には、H-IIAロケット6号機の打ち上げ失敗や、火星探査機「のぞみ」の周回失敗といった課題が立ちはだかりましたが、これを乗り越え、様々な成果を上げてきました。

主な実績

彼らの歩みの中で、2005年にはH-IIAロケット7号機でのひまわり6号の軌道投入に成功し、さらに同年にはX線天文衛星すざくを打ち上げるなどの成果を上げました。2006年から2007年にかけては、陸域観測衛星「だいち」や小型超音速実験機「NEXST-1」などの打ち上げを成功させています。特に、2009年には小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」からのサンプルリターンに成功し、国際的に注目を集めました。さらに、2010年には「IKAROS」が太陽帆航行を実現し、史上初となる成果を達成しました。

近年では、月面着陸機SLIMが2024年に誤差55メートルの位置に着陸し、日本は月面において5番目の国となるという成果がありました。また、2024年2月には新型大型液体燃料ロケットH3の試験打ち上げにも成功し、その将来の可能性が期待されています。

宇宙機の打ち上げ

JAXAの打ち上げロケットにはH-IIAやH-IIB、また新型のH3などが含まれます。多くの打ち上げ業務は三菱重工に移管されていますが、打ち上げの安全管理業務はJAXAが責任を持っています。2024年度の打ち上げにおいては、レーダ衛星や温室効果ガス観測衛星などの打ち上げが予定されています。

組織

JAXAは、理事長や副理事長などを含む役員陣によって運営されています。さらに、第一宇宙技術部門、有人宇宙技術部門、宇宙探査イノベーションハブなどが存在しそれぞれの専門分野での研究開発を進めています。各部門は、国産ロケットの開発から有人宇宙飛行の技術まで、幅広い分野で日本の宇宙開発を支えています。

未来への展望

JAXAは、今後も日本の宇宙開発をリードし続け、国際的な協力の下で新たな宇宙技術の開発や探査を進めていくことを目指しています。特に、民間企業や大学との連携を強化し、持続可能な宇宙利用の実現に向けた取り組みを進めることで、日本の航空宇宙技術の更なる向上を図っていく所存です。

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