定山渓温泉

定山渓温泉の魅力

定山渓温泉（じょうざんけい おんせん）は、北海道札幌市南区に位置する歴史ある温泉地です。この地域は、温泉の泉質としてナトリウム-塩化物泉が知られており、温泉の泉源は合計56ヵ所に及びます。温泉街を流れる豊平川の月見橋や高山橋付近には、岩盤の隙間から温泉が自然に湧き出ており、その湧出量は毎分8,600リットル、湧出温度は60度から80度に達します。

温泉街の様子

温泉街は、豊平川や白井川によって削られた河岸と国道230号沿いに広がっています。川岸に広がるわずかな平地には、個性的な旅館や店舗が並び、観光客が訪れやすい環境が整っています。見返り坂下の湯の滝には、露天風呂に浸かる河童の像があり、温泉街のいるところには「メルヘンかっぱ像」が点在し、独特の風情を醸し出しています。また、月見橋付近には、定山渓温泉を発見した美泉定山を偲ぶ定山源泉公園があり、ここでは足湯や手湯、温泉卵を作ることができるおんたまの湯も楽しめます。

歴史と開発

定山渓温泉の歴史は1866年まで遡ります。温泉を発見した美泉定山は、鹿が傷を癒す秘湯の噂を聞きつけ、小樽市朝里から山に入り、私設湯治場を開設しました。明治3年に開削工事が行われ、官営の温泉場へと成長を遂げることとなります。その後、1871年には「常山渓」という名称が定められましたが、1873年の大雨によって温泉の管理体制が厳しくなり、定山は個人で温泉を運営する事態に陥ります。

交通の発展と観光地化

1914年には定山渓鉄道が設立され、温泉街に観光客が訪れ始めます。さらに、1929年には鉄道の電化が進み、交通の便が向上したことで「札幌の奥座敷」とも呼ばれるようになります。定山渓はただの湯治場から行楽地としての一面も加わり、旅館や商業施設が続々と立ち並ぶようになりました。

自然との共生

定山渓は美しい自然に囲まれており、二見公園には「かっぱ大王像」が展示され、木々に囲まれた散策路が設けられています。かっぱ淵では神話にまつわる伝説も語り継がれており、訪れる人々を惹きつけています。近くにかある二見吊橋は、紅葉の名所としても有名です.

現在の観光振興

最盛期には多くの観光客が訪れていた定山渓温泉も、最近では個人旅行が主流になっています。行政と地域が一致団結して観光振興に取り組み、「定山渓観光魅力アップ構想」を策定し、地域活性化に努めています。今日は観光客が温泉を楽しむ傍ら、地域の歴史や文化にも触れることができる場となっています。

ホテルや旅館

定山渓温泉には多くの宿泊施設があり、定山渓ビューホテルや定山渓万世閣ホテルミリオーネなど、豊富な選択肢があります。これらの宿泊施設は、温泉だけでなく、周辺の自然や観光スポットも楽しめる魅力的な場所です。

定山渓温泉は歴史、自然、文化が調和した地域であり、訪れるすべての人に素晴らしい体験を提供してくれます。北海道を訪れた際には、ぜひ定山渓温泉で癒しのひとときを過ごしてみてください。

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