定額制

定額制とは

定額制とは、特定の期間（例えば、年、月、日など）に対して、あらかじめ定められた一定の料金を支払うことで、その期間内はサービスを無制限に利用できる課金システムです。この方式は、特に月額料金を支払うことでサービス利用権を得るサブスクリプションモデルと深く関連しています。

定額制の対義語は、利用したサービス量に応じて料金が変動する「従量制」です。コンテンツ単位での課金は「ペイ・パー・ビュー」とも呼ばれます。実際には、基本料金に利用量に応じた料金を加算するような、定額制と従量制を組み合わせた課金方式も広く採用されています。

定額制のメリットとデメリット

定額制には、利用者と事業者双方にメリットとデメリットが存在します。

利用者のメリット

料金の割安感: サービスを頻繁に利用するユーザーにとっては、従量制と比較して料金が割安になる場合があります。
支払いの簡略化: 利用ごとに料金を支払う手間が省け、スムーズにサービスを利用できます。
料金を気にせず利用可能: 料金を気にすることなく、サービスを最大限に活用できます。

利用者のデメリット

利用頻度の低下: サービス内容の変更、気づかなかった問題点、個人の状況変化や飽きなどによって、定額期間中に利用しなくなる可能性があります。
初期費用の発生: サービス利用開始時にまとまった料金が必要となる場合があります。
個人情報の提供: サービス利用開始時に個人情報の提供を求められるケースが多いです。
過剰利用の懸念: 時間を費やしすぎてしまい、生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
無駄な料金: 全くサービスを利用しない月でも、月額料金が発生してしまうため、無駄な出費となる可能性があります。
契約解約の困難性: 契約が自動更新される場合、契約者の死亡やアカウント情報の紛失などにより解約が困難になるケースや、契約内容を把握できなくなる可能性があります。

事業者のメリット

料金徴収の効率化: 利用者ごとの料金徴収の手間を削減できます。
安定収入の確保: 料金を前もって徴収できるため、安定した収入が見込めます。
顧客の囲い込み: 定額制期間中は、顧客が競合他社に流れるリスクを軽減できます。

事業者のデメリット

サービスの占有: 定額制利用者にサービスを占有される可能性があります。
サービス変更の難しさ: 一度定額制を導入すると、サービス内容の変更や中止が難しくなることがあります。

定額制の具体例

定額制は、様々な分野で採用されています。以下にその例を挙げます。

電気通信サービス:
ISPへの接続料金が定額となる、ダイヤルアップ定額制
ブロードバンド回線における、インターネット接続料金と回線利用料を含む定額制
携帯[[電話]]やPHSのメール送受信が定額となる、メール定額制
携帯[[電話]]やPHSのパケット通信が定額となる、パケット定額制
音声通話が定額となる、音声通話定額制
株式・証券取引: 手数料定額制
訪問介護: 訪問介護定額制
交通機関: 定期券
娯楽施設: 年間パスポート
有料ウェブサイト: 年間購読
社員研修・ビジネスセミナー: 年間定額制（受け放題）
オンラインゲーム: 月額課金制

支払い方法

定額制の支払方法には、現金、クレジットカード、プリペイドカード、プロバイダ・携帯[[電話]]料金との同時引き落とし、コンビニ払いなどがあります。また、オンラインゲームなどでは、利用権を付与するためのチケットやコードが発行されることもあります。例えば、PlayStation Storeでは、オンラインプレイをするために「オンラインプレイチケット」が必要となる場合があります。

関連項目

ADSL
定額契約
サブスクリプション方式

外部リンク

* 定額制 - コトバンク

もう一度検索