室生犀星記念館

室生犀星記念館：詩人の足跡をたどる金沢の文化施設

金沢市千日町に位置する室生犀星記念館は、昭和初期を代表する詩人・小説家、室生犀星の作品と生涯を後世に伝えることを目的として、2002年に開設されました。犀星の生誕地跡に建てられた記念館は、犀川や幼少期を過ごした雨宝院に程近く、歴史ある金沢の町並みに溶け込むように佇んでいます。2020年には来館者数20万人を突破するなど、地元住民や観光客に広く親しまれる文化施設となっています。

館内：犀星の文学世界に触れる空間

記念館は1階と2階に展示室を備え、犀星の直筆原稿、書簡、写真、愛用品など貴重な遺品が数多く展示されています。1階には常設展示室が2室あり、犀星の創作活動の軌跡をたどることができる構成となっています。窓から見える中庭は、庭造りを愛した犀星の感性が反映された空間で、東京都大田区馬込にあった自宅の庭から移設された「九重塔」や「四方仏のつくばい」など、趣のある景観が来館者の心を癒します。

2階には、企画展示室と常設展示室に加え、犀星の詩の朗読を鑑賞できる体験室や研究・会議室も用意されています。企画展示室では、定期的にテーマを設けた展示会が開催され、多角的な視点から犀星の文学世界を探求することができます。また、1階受付付近には、犀星関連の書籍やグッズを販売するミュージアムショップがあり、記念館の思い出を形に残すことができます。エントランス前には、室生犀星生誕地碑が建立されており、犀星の生きた時代への想いを馳せることができます。

アクセスと開館情報

開館時間: 午前9時～午後5時（入館は午後4時30分まで）

観覧料:
一般：310円
団体（20名以上）：260円
65歳以上：210円（祝祭日は無料）
高校生以下：無料

金沢市文化施設共通観覧券も利用可能です。

アクセス: 金沢駅からバスで約20分、「片町」バス停下車徒歩6分、または金沢ふらっとバス（長町ルート）「白菊町」バス停下車です。

周辺情報

記念館周辺には、犀川大橋、にし茶屋街、西茶屋資料館、寺町寺院群、妙立寺（忍者寺）、前田土佐守家資料館など、金沢の観光名所が点在しています。犀星ゆかりの地を巡る散策もおすすめです。

金沢の文豪を偲ぶ

室生犀星記念館は、犀星の文学作品を理解し、その魅力に触れる絶好の機会を提供するだけでなく、金沢の豊かな文化と歴史を体感できる場所でもあります。室生犀星をはじめ、泉鏡花、徳田秋聲といった「金沢三文豪」ゆかりの施設を訪れることで、金沢の近代文学史をより深く理解することができます。 犀星が晩年を過ごした軽井沢にも記念館があり、彼の足跡をたどる旅も可能です。

関連施設

石川近代文学館（四高記念文化交流館）
泉鏡花記念館
徳田秋聲記念館
金沢ふるさと偉人館
* 軽井沢町室生犀星記念館（軽井沢の別荘）

室生犀星の文学作品に興味のある方、金沢を訪れる予定のある方は、ぜひ室生犀星記念館に足を運んでみてください。犀星の詩情あふれる世界観と、歴史と文化が息づく金沢の街並みを満喫できるでしょう。

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