宮薗節

宮薗節（みやぞのぶし）について

宮薗節は、日本の古典浄瑠璃音楽の一つであり、江戸時代中期に宮古路薗八によって生み出されました。この音楽形式は、具体的には「薗八節」とも呼ばれており、日本の伝統芸能としては非常に重要な位置を占めています。1993年4月15日には、重要無形文化財に指定され、宮薗節保存会のメンバーがその保持者として認定を受けました。著名な作家永井荷風は、その著作『雨瀟瀟』の中で宮薗節について言及し、他の浄瑠璃と比べても独自のしめやかさを持っていると評価しています。

現存する浄瑠璃音楽の系譜

現在、日本において活発に演奏されている浄瑠璃音楽は、義太夫節、常磐津節、清元節、河東節、一中節、宮薗節、新内節、富本節など、多岐にわたります。それに加えて、半太夫節や外記節は河東節に、大薩摩節は長唄に、また繁太夫節は豊後節から独自に発展し、地[[歌]]に取り込まれる形で、それぞれが特徴的な部分として残されています。これらの音楽は、時代を経てもなお大切にされており、今日でも多くの人々によって演奏されています。

宮薗節の歴史と特徴

宮薗節自体は豊後掾の流れを汲み、最初の創始者である宮古路薗八が京都においてその基盤を築きました。彼の後を継いだ二世宮古路薗八が「宮薗鸞鳳軒」と改名したことから、現在の名称が広まったとされています。代表的な楽曲には「鳥辺山」、「桂川恋の柵」、「夕霧由縁の月見」などがあり、これらの曲はその独特な音色と情緒豊かな表現で知られています。

重要無形文化財としての地位

宮薗節が重要無形文化財に指定されるための条件として、保存会の会員が実際に語りを行い、また立三味線を演奏することが求められています。このように、技術と伝承がしっかりと結びつけられている点が、宮薗節の魅力の一つです。

宮薗節の保持者たち

現在、宮薗節を継承している主要な保持者たちには、以下のような方々がいます：

• - 三井千恵子（宮薗千恵）
• - 山田喜代子（宮薗千加寿）
• - 佐藤佐喜子（宮薗千碌）
• - 菊池ふみ（宮薗千文）
• - 斉木ツギ子（宮薗千祐三）
• - 土屋秀子（宮薗千碌司）
• - 早川志津（宮薗千愛）
• - 藤井文子（宮薗千波）
• - 風間杜美（宮薗千章）
• - 上治玉子（宮薗千蔦）
• - 吹井和子（宮薗千和恵）

これらの方々は、東京都中央区銀座の新橋会館内に位置する宮薗節保存会に所属しています。

まとめ

宮薗節は、その深い歴史と独特の芸術性から、日本の重要な文化財の一部に数えられています。浄瑠璃音楽の中でも特に影響力があり、代々受け継がれてきた伝統芸能としての役割を担っています。このような伝統が今後も継承され続けることを願っています。

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