小山敬三

小山敬三の生涯と業績

生い立ちと教育

小山敬三（こやま けいぞう）は1897年8月11日、長野県小諸町（現在の小諸市）荒町に生まれました。彼は商家の子であり、父と祖父は小山久左衛門と称される名家の出身でした。この家系は当時、商業活動を行いながらも小諸藩から士分待遇を受けていました。彼の兄である小山邦太郎は、衆議院議員や小諸市初代市長、参議院議員として活躍した著名な人物です。

小山敬三は1915年に長野県立上田中学校を卒業後、慶應義塾大学予科に進学しました。しかし、彼は画家になる夢を追い求めるため、父の反対を押し切って大学を中退し、川端画学校で藤島武二に師事しました。

フランス留学と芸術活動

1920年、作家の島崎藤村の勧めを受けて渡仏し、アカデミー・コラロッシでシャルル・ゲランに師事しました。フランスでの経験が彼の画家としての道を大きく形作り、1928年に日本に帰国するまで、多様な技法とスタイルを身につけました。その後、1929年に神奈川県茅ヶ崎市にアトリエを構え、以降は洋画家として活躍することになります。

日本での活動と会派の結成

1936年、小山敬三は二科会を脱会し、有島生馬や山下新太郎らと共に一水会を結成しました。この団体は新しい表現を追求し、洋画の発展に寄与しました。1943年には、アンブロワーズ・ヴォラールの『画商の思い出』を翻訳し、更なる芸術活動に励みました。

受賞歴と文化貢献

1959年に連作「白鷺城」で日本芸術院賞を受賞し、1960年には日本芸術院会員に選ばれました。その後も、1970年には文化功労者として表彰され、1975年には文化勲章を受章しました。小山敬三は生涯を通じて日本の洋画界に多大なる影響を与えました。

また、彼は故郷の小諸市に自身の代表作を提供し、小諸市立小山敬三美術館を村野藤吾の設計にて完成させました。1985年には、私財を寄付し小山敬三美術振興財団を設立、若手洋画家の支援活動を行いました。これらの取り組みが評価され続け、彼の業績は後世にわたる影響を残しています。

家族と親族

小山敬三は国際的な結婚を成し遂げたことでも知られ、フランス人女性と結婚しました。実子はおらず、彼の親族関係には政界の著名人も含まれています。自由民主党の元官房長官・井出一太郎は、小山邦太郎の子孫であり、井出は文化勲章を受章した際にも小山敬三と関連性があります。

主な作品と展示

彼の作品は日本各地の美術館で見ることができ、特に「白鷺城」と「浅間山」の連作は、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』にも出品され、高額な評価を受けています。彼の作品は、小諸市立小山敬三美術館、東京国立近代美術館、神奈川県立近代美術館など、多くの美術館に収蔵されています。

最後の年

小山敬三は1987年に神奈川県で死去し、贈従三位、銀杯一組と祭粢料が賜りました。彼の偉業は、後世にわたって評価され続けることでしょう。

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