小田切

長野市小田切地区

小田切地区は、長野市の中西部に位置する地域です。かつては上水内郡小田切村として存在していました。この地域は、善光寺平の北西部に広がり、西山地域とも呼ばれています。標高998メートルの富士ノ塔を最高点とし、東西約5.9キロメートル、南北約5.6キロメートルの範囲に、高低差500メートルの急峻な地形が広がっています。この地形の中に、大小の集落が点在しているのが特徴です。

地名の由来

「小田切」という地名の由来は、1889年（明治22年）の合併時に遡ります。当時、戸数の多かった塩生村が村名になる予定でしたが、鎌倉時代から1598年（慶長3年）まで小田切氏がこの地を治めていたことが考慮されました。小田切氏は、塩生・小鍋・山田中の3つの村を治めており、この地域は「小田切の里」と呼ばれていました。また、小田切神社も存在したことから、最終的に「小田切村」という村名が採用されました。

人口の変遷

小田切地区の人口は、1935年をピークに減少傾向にあります。1935年には3000人を超えていましたが、その後は徐々に減少。特に近年は減少速度が加速しており、少子化の影響で1998年には小田切小学校が廃校となりました。過疎化と高齢化が深刻な問題となっており、対策が急がれています。

以下に、人口の推移を示します。

1881年：2570人
1888年：2862人
1907年：3140人
1920年：2870人
1935年：3232人
1940年：2905人
1945年：3127人
1950年：2906人
1960年：2550人
1965年：2347人
1970年：1928人
1975年：1650人
1980年：1685人
1985年：1835人
1990年：1718人
1995年：1631人
2000年：1491人
2005年：1396人
2010年：1219人
2015年：1018人
2020年：864人

2023年3月1日時点では、407世帯、770人となっています。

地理

小田切地区は、古くから開けた土地であり、馬神や川後からは縄文時代の遺物が出土しています。また、馬神や吉窪には古墳群も存在しています。地区内には、犀川と裾花川が流れています。

山岳

富士ノ塔山

河川

犀川
裾花川

歴史

小田切地区の歴史は、以下の通りです。

1876年（明治9年）5月30日：山田中村と小鍋村が合併して繁木村、宮野尾村と吉窪村が合併して塩生村となる。
1879年（明治12年）1月4日：郡区町村編制法の施行により、各村が上水内郡の所属となる。
1883年（明治16年）9月17日：繁木村が分割し、山田中村と小鍋村に分かれる。
1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、上水内郡山田中村、塩生村、小鍋村の区域をもって小田切村が発足。
1954年（昭和29年）4月1日：小田切村が長野市に編入され、小田切村は廃止。大字として山田中、塩生、小鍋が残る。

産業

かつては、穀類、煙草、養蚕、酪農が盛んでしたが、現在ではりんごの栽培が主な産業となっています。また、富士ノ塔山への登山や小田切八景といった観光資源を活かす取り組みも行われており、地域の住民自治協議会が中心となって推進しています。富士ノ塔山山頂には展望台と案内板が設置されており、南は川中島平から浅間山、菅平、北は戸隠連峰、飯縄山などの眺望を楽しむことができます。

大字・町丁

小鍋
塩生甲
塩生乙
山田中

交通

国道19号
国道406号
長野県道401号小川長野線
長野県道406号入山小市線

脚注

角川日本地名大辞典 20 長野県
長野県公式ホームページ 現在の市町村名から合併の経過を調べる

外部リンク

上小田切村 全図 - 長野県立歴史館
* 小田切地区住民自治協議会だより

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