小野薬品工業

小野薬品工業株式会社について

小野薬品工業株式会社（ONO PHARMACEUTICAL CO., LTD.）は、日本の製薬会社であり、大阪府大阪市中央区に本社を位置しています。この会社は、主に医療機関向けの医薬品を専門に取り扱っており、独自の創薬事業を通じて、開発から販売までを一手に行っています。その結果、高い利益率を実現しています。

研究所と工場

小野薬品は、製薬業務を支えるためにいくつかの研究所と工場を設けています。具体的には、

• - 水無瀬研究所（大阪府島本町）
• - 福井研究所（福井県坂井市）
• - 筑波研究所（茨城県つくば市）

の3つの研究所が存在します。また、製造拠点としては、

• - フジヤマ工場（静岡県富士宮市）
• - 山口工場（山口県山口市）
• - 城東製品開発センター（大阪市）

があります。これらの施設が協力し合い、医薬品の研究開発と製造を行っています。

会社の歴史

小野薬品工業のルーツは1717年に遡り、初代の小野市兵衛が道修町で薬種仲買人として事業を始めました。その後、様々な変遷を経て1948年に日本有機化工を「小野薬品工業株式会社」と改称し、現在の形となりました。1980年代には証券取引所への上場を果たし、近年では機能性表示食品の分野にも進出しています。最近の重要な出来事には、2019年に山口工場の新設や2021年に小野薬品ヘルスケア株式会社の設立があります。

主な製品

小野薬品は多くの医療用医薬品を販売しています。以下にその一部を紹介します：

• - コララン（一般名：イバブラジン） - 慢性心不全治療薬。
• - フォシーガ（一般名：ダパグリフロジン） - 2型糖尿病治療薬。
• - グラクティブ（一般名：シタグリプチンリン酸塩水和物） - 2型糖尿病治療薬。
• - リバスタッチパッチ（一般名：リバスチグミン） - アルツハイマー型認知症治療剤。
• - オプジーボ（一般名：ニボルマブ） - がん治療薬。

これらの製品は、多岐にわたる疾患の治療に寄与しています。

薬害と関連会社

過去には、抗マラリア薬「キドラ」が網膜症を引き起こす健康問題が報告されたことがあり、これにより訴訟に発展しました。このような経験からも、企業は製品の安全性を最優先している必要性があります。また、小野薬品は、アメリカ、英国、韓国、台湾などに関連会社を持ち、国際的にも事業展開を行っています。

社会貢献とメディアとの関係

かつては一般用医薬品も販売していた時期があり、1950年代から1960年代には朝日放送が制作したトーク番組やコメディ番組のスポンサーを務めていました。また、現在もテレビ番組やラジオ番組を通じて、がんサバイバーのストーリーを伝える活動をしているなど、社会への貢献にも取り組んでいます。

このように、小野薬品工業株式会社は、長い歴史を持ち、様々な医薬品を提供するだけでなく、研究や地域社会との関係構築にも力を入れています。

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