山口県立美術館

山口県立美術館

山口県立美術館は、山口県山口市中心部に位置する公立美術館です。日本の道100選にも選ばれたパークロード沿いにあり、山口大学経済学部の旧亀山キャンパス跡地、幕末には藩校山口明倫館があった場所に建っています。1979年、鬼頭梓建築設計事務所の設計によって開館しました。周辺には山口県立図書館、山口県庁舎、山口サビエル記念聖堂などがあり、文教地区の中核をなしています。

香月泰男とシベリアシリーズ

美術館設立のきっかけとなったのは、シベリア抑留の体験を描いた作品で知られる山口県出身の画家、香月泰男の作品群です。香月泰男の遺族から山口県に寄贈された多数の作品は、美術館のコレクションの中核をなしています。特に、シベリアシリーズは必見です。

多彩なコレクション

香月泰男の作品以外にも、山口県ゆかりの著名な画家の作品が数多く収蔵されています。例えば、長州藩と深い関わりを持つ雪舟の山水画、狩野芳崖の作品、そして戦後の画家である小林和作の作品などが展示されています。時代や画家の個性を反映した多様な作品群を通して、日本の美術史の一端に触れることができます。

雪舟等楊の作品としては、『山水図巻』や『牧牛図』、『束帯天神図』などが有名です。また、桃山時代の雲谷等顔による『群馬図屏風』や、雲谷派の作品群も貴重なコレクションです。これら以外にも、高橋由一、小野竹喬、植田正治、里見勝蔵など、近現代の日本画や写真作品も展示されており、日本の美術史を多角的に理解する上で貴重な資料となっています。

美術館の施設

美術館は、展示室（A～F）、ミュージアムカフェ、ミュージアムショップ、講座室、そして中庭として整備された県民の森などを備えています。近代的な建物と自然豊かな環境が調和した、快適な空間となっています。

建築概要

• - 竣工：1979年3月
• - 設計：鬼頭梓建築設計事務所
• - 敷地面積：11,618.33平方メートル
• - 建物面積：4,704.59平方メートル
• - 延床面積：7,073.37平方メートル
• - 構造・規模：鉄筋コンクリート造、地下1階・地上2階（一部鉄骨造）

2007年には、第7回日本建築家協会25年賞を受賞しています。洗練されたデザインと機能性を兼ね備えた建築物としても注目に値します。

アクセスと周辺情報

• - JR山口線山口駅から徒歩15分、または中国JRバス「美術館前」下車
• - JR山陽新幹線・山陽本線新山口駅から防長交通バス「美術館前」「県庁前」「市役所前」下車

美術館周辺には、山口市役所、山口県立山口博物館、山口サビエル記念聖堂、山口県政資料館、山口県庁、瑠璃光寺、香山公園などがあり、観光にも便利な立地です。

開館時間と休館日

• - 開館時間：9:00～17:00
• - 休館日：月曜日、年末年始

山口県立美術館は、美術作品鑑賞のみならず、山口の歴史と文化に触れることができる貴重な場所です。山口を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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