岩手県公会堂

岩手県公会堂は、岩手県盛岡市に所在する公共施設で、岩手県庁舎のすぐ隣に位置しています。この建物は岩手県が所有しており、現在は学校法人龍澤学館、第一商事株式会社、株式会社IBC開発センター、株式会社総合企画新和によって管理されています。

概要

1927年6月15日に竣工したこの公会堂は、大隈講堂や日比谷公会堂の設計で知られる建築家・佐藤功一によって設計されました。ネオゴシック様式を採用しており、当時としては高層の建物で、塔屋からは盛岡の街を一望できたと伝えられています。建物は塔屋を除いて2階建てで、当初は岩手県議会議事堂としての役割を担い、県政の象徴的な存在でした。西側には議事堂、東側にはレストランなどが設けられていました。

第二次世界大戦直後には、進駐軍が病院としてこの建物を使用しました。1965年に県議会議事堂が新築され移転した後、1973年に岩手県民会館が完成するまでは、県内最大級の文化・集会施設として利用されました。館内には大小16の会議室、大ホール、ギャラリーなどが設けられ、特に大ホールは、盛岡文士劇など、演劇や音楽公演の場として親しまれてきました。

建物の老朽化と利用率の低下から、2000年には岩手県公会堂懇談会が設置され、存廃が検討されましたが、結果として全面保存が決定しました。大規模な補修や改築は行われておらず、県議会議事堂当時の装飾や施設がそのまま残されています。2006年10月18日には、国の登録有形文化財に登録されました。

2009年には、塔屋の耐震工事と大ホール及び21号室の改修・復元工事が実施されました。開館時から1945年8月まで建物東側にあったレストラン「公会堂多賀」は、戦後に地下へと移転しましたが、2017年3月末に閉店しました。このレストランは、新渡戸稲造が帰郷時に利用していたことで知られ、彼が食したメニューを提供していました。

周辺施設

岩手県公会堂の周辺には、以下のような施設があります。

岩手県庁
岩手県民会館
岩手公園
テレビ岩手/エフエム岩手 本社
中ノ橋
盛岡市役所
盛岡東警察署
盛岡地方裁判所
* 石割桜

アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR東日本・IGRいわて銀河鉄道盛岡駅東口から岩手県交通バスまたは岩手県北バスに乗車し、「県庁・市役所前」バス停で下車すると便利です。

脚注

岩手県公会堂
国指定文化財データベース – 岩手県公会堂

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