島根県立古代出雲歴史博物館

島根県立古代出雲歴史博物館

島根県出雲市に位置する島根県立古代出雲歴史博物館は、出雲大社の東隣に2007年3月10日に開館しました。この博物館は、古代出雲の歴史と文化に特化した展示を行っており、古代文化センターが所蔵していた歴史的資料を基盤に、その内容を拡充した施設です。設計は槇文彦氏が代表を務めるチームによって手がけられ、博物館本館に加えて風土記の庭なども備えています。

展示内容

博物館では、神庭荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡、出雲大社の巨大柱跡など、出雲地方の重要な遺跡からの出土品を中心に展示しています。常設展示はテーマ別展示室、神話展示室、総合展示室の3つに分かれており、それぞれ異なる視点から古代出雲の魅力を伝えています。

主な展示物:
荒神谷遺跡出土の銅剣358本、銅矛16本、銅鐸6個（国宝）
加茂岩倉遺跡出土の銅鐸39個（国宝）
平安時代の出雲大社本殿を再現した10分の1模型
宇豆柱

総合展示室では、石見銀山を含む島根県全体の歴史についても触れられています。また、中央ロビーには、2000年に出雲大社境内から出土した宇豆柱が展示されています。

庭園と周辺施設

博物館の敷地内には、「風土記の庭」や体験用の水田、工房が設置されています。これらの施設は、古代の生活や文化を体験的に学ぶことができるように設計されています。また、出雲大社との間には「風土記の路」が整備されており、散策を楽しむことができます。

建築の特徴

建物のデザインは、建築自体の主張を抑え、シンプルさを追求しています。鉄とガラスを主要な素材として使用し、壁面の鋼は古代のたたら製鉄、ガラスは現代性を象徴しています。これにより、古代と現代の融合を表現しています。庭園は、『出雲国風土記』に記された植物の植生試験の結果を反映し、タブ、シイ、カシなどの常緑広葉樹を中心に構成されています。

構成

中央ロビー（宇豆柱）
展示室
神話回廊（神話シアター、神話展示コーナー、神話探検コーナー）
総合展示室
テーマ別展示室（出雲大社と神々の国のまつり、出雲国風土記の世界、青銅器と金色の大刀）
特別展示室
空中歩廊
展望テラス
ミュージアムショップ一畑
カフェ「maru cafe」
情報交流室
講義室
風土記の庭
体験工房
体験水田

アクセス

電車: 一畑電車大社線出雲大社前駅下車、徒歩7分
バス:
一畑バス正門前停留所下車、徒歩3分
一畑バス古代出雲歴史博物館前停留所下車

休館と再オープン

耐震改修、機器メンテナンス、展示リニューアルのため、2025年4月1日から休館し、2026年10月に再オープンする予定です。休館中も体験工房や庭園での講座、イベントは継続されます。

島根県立古代出雲歴史博物館は、古代出雲の歴史と文化に触れることができる貴重な場所です。再オープン後には、さらに充実した展示と体験プログラムが期待されます。

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