崎守駅

北海道室蘭市崎守町に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅です。電報略号はサモ、駅番号はH34が割り当てられています。

歴史

崎守駅の起源は、1955年（昭和30年）11月1日に開設された国有鉄道室蘭本線の崎守町仮乗降場に遡ります。その後、黄金駅と陣屋町駅の間で行われた複線化および線路の付け替え工事に伴い、1968年（昭和43年）9月19日に仮乗降場は廃止されました。そして、新しく付け替えられた線路上に現在の崎守駅が旅客扱いのみを行う無人駅として開業しました。国鉄分割民営化により、1987年（昭和62年）4月1日にはJR北海道の駅として新たなスタートを切りました。

仮乗降場として存在した時期のホームは、現在の駅よりも黄金寄りの旧トンネル手前にある踏切の傍から、跨道橋の桁付近までの築堤上で、東室蘭方面に向かって左側（北側）に簡易な設備が設けられていました。これはちょうど、後に建設された新線が旧線跡を跨ぐ位置にあたります。

駅名の由来

駅名は所在地の「崎守町」という地名に由来しています。この地域は、もともとアイヌ語で「室蘭」の語源になったとされる「モルラン（モロラン）」の発祥地だった場所です。しかし、近代に入り港が現在の室蘭市街地に移された後、この地域は「旧室蘭」、次いで「元室蘭」と呼ばれるようになり、最終的に現在の「崎守町」となりました。

「崎守」という名称は、江戸時代末期にこの地に設置された砲台の警備にあたった人々が祀った「崎守の社」という神社に由来すると伝えられています。また、「崎守の社」という社名には、古代日本の防人になぞらえて名付けられたという説も存在し、この地の歴史的な深さを示唆しています。

駅の構造

崎守駅は、相対式ホーム2面2線を有する高架駅です。ホームの長さは上下線とも約180メートルあります。複線区間に位置していますが、駅構内に列車の進行方向を切り替える転轍機は設置されておらず、線路がまっすぐに伸びている棒線駅となっています。

駅は切り通し区間から架道橋（線路が道路などをまたぐ橋）の上にかけて設けられています。ホームへは、橋脚部分に設置された連絡通路を経由し、それぞれのホーム中央付近にある階段を利用してアクセスします。開業当初から現在に至るまで無人駅であり、独立した駅舎や待合室は存在しません。しかし、ホームには雨や雪を避けるための上屋が備えられています。

かつて、地上からホームへ続く階段の踊り場部分に、広さ約20平方メートルの待合所が設けられていました。しかし、残念ながら落書きや放火といった被害に遭い、施設の維持が困難となったため、1999年（平成11年）8月末をもって閉鎖され、後に撤去されました。

駅は、前後の区間をトンネルに挟まれた特異な地形に立地しています。また、当駅付近では、後から建設された新線がかつての旧線を跨いでいます。2002年（平成14年）頃には、下りホームの長万部側から廃止された旧線の線路跡をはっきりと見下ろすことができた時期もありました。

利用状況

崎守駅の利用者数は、時期によって変動が見られます。例えば、1981年度（昭和56年度）の1日あたりの平均乗降客数はわずか18人でした。しかし、1992年度（平成4年度）には1日あたり200人と、大きく増加した時期もありました。その後の詳細な乗降人員の推移については、公表されている情報が限られています。

駅周辺

駅周辺は、1969年（昭和44年）から造成が開始された大規模団地「白鳥台ニュータウン」が中心となっています。そのため、住宅地が広がり、ニュータウン住民の生活を支える施設が点在しています。

主な施設としては、室蘭警察署白鳥台交番、室蘭白鳥台郵便局、室蘭信用金庫白鳥台支店といった公共・金融機関のほか、スーパーくまがい（旧志賀綜合食料品店ハック店）のような商業施設があります。また、室蘭市立白鳥台小学校、室蘭市立本室蘭小学校、室蘭市立本室蘭中学校といった教育機関も地域内に位置しています。

歴史的な見どころとしては、江戸時代に創建されたと伝わる崎守神社や、国の史跡に指定されている南部藩モロラン陣屋跡（駅から東へ約4km）、室蘭市民俗資料館、そして室蘭の地名発祥地と伝わる場所があります。自然やレジャー関連では、白鳥湾の景観を楽しめる白鳥湾展望台や、室蘭岳山麓総合公園（だんパラ公園）、望洋台霊園などが比較的近くに位置しています。

交通面では、駅近くに道央自動車道の室蘭インターチェンジがあり、広域からのアクセスも可能です。また、駅前には道南バスの「崎守町」停留所が設置されており、近隣への移動手段として利用されています。ENEOS室蘭事業所や景勝地として知られる大黒島なども周辺にあります。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線においては、長万部方面の隣駅は黄金駅（H35）、東室蘭方面の隣駅は本輪西駅（H33）となります。なお、本輪西駅との間には貨物専用駅である陣屋町駅があります。

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