平城山駅

平城山駅：奈良盆地の玄関口

平城山駅は、奈良県奈良市佐保台一丁目に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）関西本線の駅です。旅客駅として1985年12月1日に開業、地元の強い要望と全額地元負担による総工費3億円を投じた請願駅として誕生しました。

駅は、関西本線と奈良線の列車が乗り入れ、大和路線の愛称も使用されています。早朝と深夜には、片町線（学研都市線）からの直通電車も停車します。駅番号は、関西本線（大和路線）がJR-Q37、奈良線がJR-D20と設定されています。

開業から現在まで

開業後は、駅の西側を中心とした大規模な土地区画整理事業が進められました。バスターミナルや駐車場を備えた駅前広場、道路、公園、そして住宅地の整備などが行われ、周辺地域全体の開発に大きく貢献しました。1987年の国鉄分割民営化後はJR西日本に移管。1998年には自動改札機、2003年にはICOCAが導入され、利便性が向上しました。2016年にはみどりの窓口が営業終了し、みどりの券売機プラスが設置されました。2018年には駅ナンバリングが導入され、現在に至ります。

駅の構造と特徴

平城山駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を備えています。ホーム有効長は170mで、8両編成に対応しています。分岐器や絶対信号機がないため、停留所に分類されます。山肌に沿って建設されているため、上りホームと下りホームの高さに違いがあります。駅業務はJR西日本交通サービスが受託しており、早朝と夜間は無人となります。

駅自動放送は、大和路線内で唯一、システム対応の放送に更新されておらず、従来型の簡易放送が使用されています。接近メロディも導入されていません。これらの特徴は、駅の歴史や規模、そして周辺環境なども反映していると言えるでしょう。

利用状況と周辺環境

2020年度の1日平均乗車人員は約1064人と記録されています。平城ニュータウンの東部に位置していますが、駅周辺の開発は、ニュータウンの他の地域と比較して遅れています。バス路線も朝と夕方の時間帯に集中しており、利便性向上のための更なる整備が期待されます。

駅周辺は南北に細長い谷のような地形をしており、JR大和路線と国道24号線が平行して走っています。東側には佐保台、西側には左京住宅などの住宅地が広がっています。左京住宅の東端には奈良市環境清美公社の清掃工場があり、その北には京奈和自動車道の木津インターチェンジがあります。

駅からのアクセスは、ならやま大通りや国道24号線の下を通るトンネル、歩道橋などを利用する必要があります。これらの道路は、周辺のニュータウンを繋ぎ、奈良盆地北部における交通の要となっています。

バス路線と今後の展望

駅西口と東口にはバス停留所があり、奈良交通の路線バスが発着しています。しかし、運行本数は朝と夕方以降に集中しています。かつては西日本ジェイアールバスも路線バスを運行していましたが、現在は廃止されています。

平城山駅は、周辺地域の開発とともに発展してきた駅です。今後も、更なる利便性向上のための整備や、地域住民のニーズに応じた交通サービスの提供が求められています。中央新幹線奈良県駅（仮称）の候補地にもなっていることから、将来的な更なる発展も期待されます。

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