延喜

延喜（えんぎ）

延喜（えんぎ）は、日本の元号の一つであり、901年から923年までの期間を指します。延喜は昌泰の後、延長の前に位置し、この時代の天皇は醍醐天皇です。この期間は、日本の歴史において重要な出来事が多く発生し、後に「延喜の治」と称される天皇親政が行われました。

延喜の成立背景と改元

延喜元年の901年、昌泰4年7月15日（ユリウス暦901年8月31日）に、辛酉革命や昌泰の変と呼ばれる混乱が生じたことにより改元が行われました。延喜23年閏4月11日（923年5月29日）には延長と改元されました。この時代の歴史的な意義を示すために、延喜との改元がなされました。

また、「延喜玉受德、天賜佩」と記された出典があり、これは古代文献の一部で、延喜の成立意義を示しています。

延喜期の主な出来事

延喜時代は多くの歴史的な出来事が起こりました。例えば、元年の4月には東国での盗賊が頻発したため、政府は推問追捕使を派遣して治安維持に努めました。また、8月2日には「日本三代実録」が完成し、この時代の文化や政治的な状況を記録する重要な成績となりました。

延喜2年の3月には、延喜の荘園整理令が発布されるものの、その実施は不徹底に終わりました。同年には班田が行われましたが、これが律令政治の崩壊の前兆とされ、記録されています。さらに、史上有名な学者である菅原道真がこの年に死去し、その後の人々には怨霊に関する迷信が広がりました。

延喜5年においては、紀貫之らが初の勅撰和歌集である「古今和歌集」を編纂し、文化の発展に寄与しました。8月25日には、上皇家や貴族が国司に無断で地方の郡司を捕えることを禁じる太政官の決定が出されたこともあります。

また、延喜7年の11月には延喜通宝の鋳造が行われ、通貨の発展が伺えます。

延喜の文化的影響

延喜の時代には、藤原忠平が冶世において高い地位を占め、文化の発展を促しました。藤原時平はこの時代に急死するが、その死後も忠平が政治の中枢を担い、維持されました。

延喜21年には安倍晴明が誕生し、彼の影響が後の日本の文化に多大な影響を及ぼしました。延喜22年には後百済と高麗の戦いが勃発し、日本も関与するよう求められたものの、朝廷はこれを断りました。

延喜23年の3月21日には皇太子が薨去し、これは自然災害や政情不安が続く中で発生した出来事でした。直後に延長に改元され、延喜の時代は幕を閉じました。

このように、延喜は日本の歴史において重要な元号であり、多くの政治的、文化的な出来事が起こった時期として記憶されています。これらの出来事は、後の日本の発展に影響を与え続けることとなりました。

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