御岩神社

御岩神社の概要

御岩神社（おいわじんじゃ）は、茨城県日立市の入四間町に位置する神社です。村社に格付けされており、常陸国最古の霊山とされる御岩山のふもとに広がっています。この神社は、古代信仰や神仏習合の要素を色濃く残し、近年は特にパワースポットとして多くの人から注目を集めています。

祭神について

御岩神社では、国之常立神、大国主、伊邪那岐、伊邪那美など、合計22柱の神々が祀られています。御岩山周辺には、188柱もの神々が祭られており、神社とその境内は豊かな信仰の場となっています。

歴史

御岩神社の創建は不詳ですが、『常陸国風土記』には「かびれの峰に天つ神が鎮まる」という記録があります。さらには、縄文時代の祭祀遺跡が見つかっており、古くからこの地が信仰の中心であったことが伺えます。江戸時代には水戸藩初代藩主・徳川頼房がこの神社を国峰と定め、歴代藩主が参拝する習慣がありました。特に第2代藩主・光圀の時代には、御岩山を「御岩大権現」と改称し、さらに第9代藩主・斉昭によって神仏分離が進められ、今でも神仏習合の雰囲気が残っています。

境内の様子

御岩神社の神域は御岩山の西側斜面に広がり、社殿が点在しています。参道は拝殿から表参道と裏参道に分かれており、両者はかびれ神宮の先で合流し、御岩山の山頂へと続いています。拝殿には、祭神として国常立尊、大国主命、伊邪那岐尊、伊邪那美尊らが祀られています。

主要な社殿

• - かびれ神宮: 表参道の奥宮には、天照大神や邇邇藝命、立速日男命が祀られています。特に、ここには「今上石」という巨石と、そこから湧き出る水があることで知られます。この池の水は、徳川光圀が『大日本史』の筆染め儀式に使用したとされています。

• - 斎神社: ここでは天御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、八衢比古神、八衢比賣神が祭られ、茨城県指定有形文化財の大日如来像も所蔵されています。特に、天井画の雲龍図は茨城県北芸術祭で展示されたものです。

• - 薩都神社中宮: 裏参道の奥宮で、立速日男命が祀られています。この神はいくつかの古文書にも言及されており、雷神として考えられています。

• - 楼門（大仁王門）: 明治時代の廃仏毀釈により取り壊されましたが、最近再建され、仁王像が安置されています。また、霊場図も展示されています。

• - 三本杉: 御岩神社の御神木で、500年の樹齢を持つ巨木です。茨城県指定の天然記念物としても認定されています。

祭事

御岩神社では多くの祭事が行われます。例えば、元旦祭や新年祈祷祭、かびれ神宮祭、七五三詣祭などがあり、毎月1日には月次祭や月祓も行われます。特に回向祭は春と秋の年に2回行われ、神仏混合の特有の祭事として地域の人々に親しまれています。

アクセス情報

御岩神社は茨城県日立市入四間町752に位置し、最寄りの交通機関はJR常磐線の日立駅から茨城交通バスに乗り、「御岩神社前」で下車する方法があります。また車でのアクセスも良好で、常磐自動車道の日立中央ICから約10kmの距離です。

周辺情報

周辺には高鈴山や奥日立きららの里、日鉱記念館などの観光スポットも点在しています。これらを併せて訪れるのもおすすめです。

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