高鈴山

高鈴山

高鈴山（たかすずやま）は、茨城県日立市と常陸太田市の境界に位置する、標高623mの山です。多賀山地の南端に位置し、この山地における最高峰となっています。北に連なる神峯山（かみねさん）から風神山（ふうじんやま）へと続く稜線は、高鈴県立自然公園に指定されており、豊かな自然が保護されています。

特徴

高鈴山は、関東平野側から見るとひときわ高く見える山で、隣接する神峯山の尖った山頂とは対照的に、なだらかな山容をしています。山頂には巨大なレーダー雨量観測塔が設置されており、これが目印となっています。山頂へは車両でアクセスできますが、一般車両の進入は禁止されています。登山道は整備されており、ハイキングを楽しむことができます。山頂には展望台や一等三角点、天測点などがあり、電波中継塔も林立しています。

山頂からの眺望は素晴らしく、筑波山や加波山、茨城県北部の山々、さらには遠く那須連山まで見渡すことができます。高鈴山は「花の百名山」にも選定されており、特にセンブリが代表的な花として知られています。

地形・地質

高鈴山は、神峯山とともに多賀山地の主峰を形成しています。この地域は、古生代の火山活動によって形成された緑色片岩や石英片岩などの結晶片岩からなる「日立変成岩」という地質が特徴です。山頂部や御岩山への尾根は、比較的硬い石英片岩で構成されています。

山頂部は、古い時代の地形が残った小起伏面であり、なだらかです。一方、北側の宮田川流域にあたる御岩山への稜線は、近年の侵食によって痩せ尾根となっています。

日立鉱山

高鈴山の北面、宮田川上流の結晶片岩地域には、黄鉄鉱や黄銅鉱を含む含銅硫化鉄鉱床が存在していました。江戸時代には赤沢銅山として知られていましたが、明治時代に久原房之助によって再興され、日本有数の銅鉱山である日立鉱山へと発展しました。

鉱山は高鈴山の地下にも広がっており、最盛期には7,000人以上がこの山中で生活していました。鉱山開発に伴い、鉄道や集落が形成され、日立市の工業発展の基礎となりました。しかし、資源の枯渇により、1981年に閉山しました。現在は、鉱山の跡地が整備され、日立市もとやま自然の村として、市民の憩いの場となっています。また、鉱山の歴史を伝える日鉱記念館も建設されています。

御岩山

高鈴山の北側に連なる御岩山（おいわさん）は、古くは『常陸国風土記』に「賀毘禮（かびれ）の峰」として記述された信仰の山です。修験道の山としても知られ、山麓には徳川光圀も参拝した御岩神社があります。山頂には奥の院があります。

近年、御岩山の岸壁はロッククライミングの場として利用されていましたが、無許可での整備や違法なルート案内、盗掘や損傷、事故、遭難などが多発したため、現在では立ち入りが禁止されています。

御岩神社には、茨城県指定天然記念物の「御岩神社の三本杉」があります。

登山道

高鈴山には、以下の様な登山道があります。

本山トンネルから御岩山を経由するルート
風神山から尾根伝いに進むルート
諏訪梅林から分岐して一般道を登るルート（車道は山頂まで続いており、車でのアクセスも可能）

施設

山頂付近には、以下の様な施設があります。

国土交通省のレーダー雨量計と多重無線回線・テレメータ観測の中継所
一等三角点
茨城放送のFM局（「i-fm」）日立局

周辺

高鈴山の周辺には、以下の様な見所があります。

神峯山
御岩神社
日立市もとやま自然の村
日鉱記念館

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