忍野村

忍野村の概要

忍野村（おしのむら）は山梨県南都留郡に属し、富士山と御坂山地に囲まれた美しい盆地を形成しています。海抜936メートルに位置し、村域は主に東部の内野地区と西部の忍草地区の二つの集落から構成されています。また、近隣の山中湖村には「山中のハリモミ純林」と呼ばれる国の天然記念物があります。

地理

忍野村は山梨県南東部に位置し、富士山の麓にあたります。特に「忍野八海」として知られる名水は、湧水としての価値が高く、天然記念物および名水百選にも選ばれています。また、村から見る富士山は「忍野富士」と呼ばれ、その雄大な姿は訪れる人々を魅了します。

地形

忍野村周辺は山地に囲まれており、主な山には石割山と杓子山が存在します。地域は主に二つの地区に分かれ、忍草（旧忍草村）と内野（旧内野村）という名称で呼ばれています。

人口と隣接自治体

忍野村は周辺の自治体として、富士吉田市、都留市、そして隣接する南都留郡の山中湖村があります。

歴史

忍野村の歴史は古く、特に忍草浅間神社の本殿は重要文化財として認定されています。この神社には鎌倉時代に制作された木造の神像が伝わっており、富士信仰に深く関連しています。

江戸時代末期には、農業が自給を難しくしていたため、山仕事が副業として行われていました。1897年（明治30年）には馬による貨物運送業に変化し、その後養蚕業が発展したことも特筆されます。

近代に入ると、1875年（明治8年）に内野村と忍草村が合併し忍野村が発足しました。このときは「豊葦村」という名前の案もありましたが、結局合成地名に決まりました。現代では、戦後に観光業や淡水魚養殖が発展し、訪れる観光客が増加してきました。

経済と産業

忍野村の農業は、伝統的な農業協同組合「クレイン農業協同組合」が支えています。しかし、村内では工業も発展を遂げ、西部に位置するファナックのような企業が存在しています。ファナックは特に工作機械用のNC装置で有名です。

教育面では、村内には公立の学校や図書館、体育館がありますが、高等学校はありません。中学校は忍野村立忍野中学校、小学校は忍野村立忍野小学校で、幼稚園や保育所も同様に公立の施設が整っています。

交通

交通手段としては、村内に鉄道は通っていませんが、近くの富士山駅やバス路線が利用されています。村の近隣には東富士五湖道路や国道138号といった主要な道路があります。

観光名所

観光地としては、忍野八海や鐘山の滝、また「忍野しのびの里」や「山梨県立富士湧水の里水族館」などが人気です。地域に根ざした文化や自然の美しさが、多くの人々に愛されています。

忍野村は、そのすばらしい自然と文化的な遺産、そして訪れる人々を温かく迎える地域の魅力にあふれています。

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