持病

持病（じびょう）について

持病とは、医学的に治療が完了することがない、または長期間にわたって影響を及ぼす病気を指す用語です。この言葉には、病気が慢性的または断続的である場合（例えば、アトピー性皮膚炎や高血圧など）がまとめられています。また、持病は一般的に、風邪などの一過性の病気や、重度ではあるが治療中の病気とは区別されます。

持病の定義と範囲

持病は、「宿痾（しゅくあ）」とも呼ばれ、具体的には慢性的な症状に加え、本人が長期間自覚している体調不良を含みます。そのため、持病の種類や原因は多種多様です。

持病には、以下のような病状が含まれます:

• - アトピー性皮膚炎: 皮膚の炎症やかゆみを引き起こすアレルギー性の状態です。
• - 胃腸病: 胃腸の不調で、胃炎や腸炎、過敏性腸症候群などが含まれます。
• - 高血圧: 血圧が常に高い状態が続く病気で、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
• - 高脂血症: 血液中の脂質が異常に高い状態で、動脈硬化等のリスクが増加します。
• - 神経痛: 頭痛や腰痛など、神経の異常に伴う痛みです。
• - リウマチ: 関節に炎症を引き起こし、痛みを伴う病気です。
• - 肝臓病や腎臓病: それぞれの臓器に関連する慢性的な疾病です。
• - 心臓病や糖尿病: 生命に関わる疾患として注意が必要です。
• - 気管支喘息: 呼吸困難を引き起こす慢性的な呼吸器の状態です。
• - 歯周病: 歯の周りの組織が炎症を起こす病気で、進行すると歯の喪失につながることもあります。
• - 精神疾患: うつ病や統合失調症といった心の病が含まれます。
• - 頸肩腕症候群、腰痛、痛風、痔: これらも日常生活に大きく影響を与える持病の例です。

労働者における持病の統計

厚生労働省の「平成14年労働者健康状況調査」によると、持病を抱える労働者の中で最も多かった症状は、腰痛が25.9%を占め、高血圧が22.3%、高脂血症が13.4%、胃腸病が13.1%となっており、持病が労働能力に与える影響が明らかになっています。

持病の比喩的な使い方

さらに、持病という言葉は比喩的にも使用されます。例えば、直りにくい悪癖や、工業製品の特定の部分が頻繁に故障する場合にも「持病」と言うことがあります。このように、持病は医学的な意味だけでなく、日常生活の中での習慣や問題にも適用される幅広い用語です。

関連項目

持病は「職業病」「生活習慣病」「慢性疾患」など、さまざまな健康問題と関連性があります。また、持病に対するアプローチとして「対症療法」や「原因療法」という治療方法も考えられています。

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