新宿アイランドタワー

新宿アイランドタワーの概要

新宿アイランドタワーは、東京都新宿区西新宿に位置する超高層ビルであり、新宿新都心の一角を形成しています。このタワーは、住宅・都市整備公団（現・都市再生機構（UR））が主導した西新宿六丁目東地区第一種市街地再開発事業によって1995年に完成しました。この再開発プロジェクトは、タワーを中心に職住一体型のコンドミニアムや店舗などが集まる複合施設「新宿アイランド」を形成し、第37回BCS賞を受賞するなど、その優れたデザインと機能性が高く評価されています。

再開発の背景

この地域は、かつて東京都水道局新宿営業所跡地を中心とした古い住宅が密集していました。約2万9千平方メートルの土地を再開発し、都市基盤を整備する計画が1989年に決定されました。住宅・都市整備公団が事業主体となり、1990年に工事が開始され、1995年5月1日にグランドオープンしました。総事業費は約2100億円に上ります。タワー頂上部のドーム状のデザイン、白を基調とした外観、青緑色のガラスが特徴的で、屋上にはヘリポートが設置されています。開業当初はオフィスビル不況の影響を受け、テナントの誘致に苦労しましたが、住都公団が分散していた支社を当ビルに集約するなどして状況を打開しました。

施設構成

新宿アイランドは、タワー棟、東棟、西棟、南棟、アイランドウイング、アトリウム、アネックス棟など、複数の建物で構成されています。

タワー棟：地下4階から地上44階まであり、駐車場、レストラン、ショップ、オフィスが入居しています。最上階の44階にはレストランがあります。
東棟：レジデンスと学校があり、低層階にはショップやクリニックがあります。再開発以前から住んでいた地権者の居住棟も含まれています。
西棟：ショップが集まり、タワー棟側には緑化された階段状の屋根があります。隣接する東京医科大学病院の処方箋を扱う薬局も入居しています。
南棟（アクアプラザ）：地下1階には地下通路と接続する短期イベント用スペースがあり、1階はレストラン、2階はホールとなっています。
アイランドウイング：オフィスビルとして利用されています。
アトリウム：円形の建物で、吹き抜け空間にエスカレーターが設置されています。地下通路との接続部であり、丸ノ内線西新宿駅からのアクセスに利用されます。
アネックス棟：地上6階の住居棟で、新宿警察署の西側に位置しています。

その他の施設と特徴

アイランドパティオ：地下広場に相当する掘込式の青空天井で、欅の木がそびえ立っています。テーブルセットが設置されており、ミニライブやスポーツ中継、映画上映などのイベントが無料で行われます。
オベリスク：タワー前面に設置された高さ35メートルの塔で、天文時計が備えられています。9時、12時、18時に鐘が鳴ります。
パブリックアート：前庭や周囲には、10人のアーティストによるパブリックアートが点在しています。ロバート・インディアナ作の「LOVE」のオブジェは、多くのドラマのロケ地として知られています。

主なテナント

商業施設は「新宿アイランドイッツ」と呼ばれ、約50店舗があります。タワー棟には都市再生機構（UR）、日本マクドナルド、木下工務店、東京水道、ニュースキンジャパン、FJネクストホールディングスなど多くの企業が入居しています。飲食店や郵便局、コンビニエンスストアなども充実しており、生活に必要な施設が揃っています。また、クラブツーリズム本社や静岡銀行の支店なども入居しています。

郵便番号

新宿アイランドには専用郵便番号「〒163-13××」が設定されていますが、一部施設では「〒160-0023」が使用されています。郵便物を送る際には注意が必要です。

アクセス

新宿駅から徒歩10分
都営大江戸線都庁前駅から徒歩4分
地下鉄丸ノ内線西新宿駅から徒歩0分

参考資料

『進化する複合再開発―新宿アイランドの全記録』彰国社、1996年。