日本画

日本画について

日本画とは、日本の伝統的な絵画スタイルを指し、明治時代に洋画の流行が影響を与える形で発展しました。この絵画の特徴として、主に岩絵具や和紙、絹などの伝統的な材料と技法が使われます。一般的に、日本画は「彩色画」と「水墨画」に大きく分類されることが多いです。

日本画の定義と歴史

日本画の狭義の定義は、明治維新から第二次世界大戦終結までの約77年間に製作された、伝統的な技法や様式を用いた作品を指します。この期間、油彩画は「洋画」として別枠扱いされていました。広義には、明治維新前や戦後の作品も含まれますが、この場合、中国由来の要素が強い作品など定義が曖昧な場合もあります。

日本画の起源は奈良時代から平安時代にさかのぼり、当時中国や朝鮮から導入された技法や様式に影響を受けた「唐絵」が存在しました。それに対抗する形で、日本的な主題を描く「大和絵」が誕生しました。時代が進むにつれて、これらの絵画は「漢画」や「和画」といった様々な名称で呼ばれるようになりました。

日本画の形成期

1870年代になると、ヨーロッパからもたらされた油彩画が日本に影響をおよぼし始めます。明治政府は1876年にイタリアからアントニオ・フォンタネージを招き、工部美術学校を設立しました。この時期、日本の伝統的な絵画は低調で、多くの画家が西洋画へ転向していきました。この流れの中で、アメリカからのアーネスト・フェノロサが来日し、日本の美術に対する関心を示しました。

フェノロサは1882年の講演において、独自の表現技法や特徴を有する「Japanese painting」の翻訳として「日本画」という言葉を初めて用いました。この講演では、日本画の特徴として以下の点が挙げられました。

• - 写実的な描写を追求しないこと
• - 陰影が少ないこと
• - 輪郭線がはっきりしていること
• - 色調が濃くないこと
• - 表現が簡潔であること

日本画の教育と制作方法

日本の高等学校では美術教育に日本画を取り入れることが少なく、主に高価な画材や専門の教員不足がその理由です。美術大学の入学試験では主に鉛筆デッサンと水彩画が使われ、日本画の専門的な教育は限定的です。

日本画の制作には、岩絵具を中心にさまざまな絵の具を用いる他、和紙や絹などの底材を使用します。和紙は紙本、絹は絹本として分類され、それぞれ異なる技法で描かれます。一般的な制作方法では、まず礬水を塗ることで色を散らさず、次に岩絵具を用いて展開する手法が取られます。近年では、油彩画の影響を受けた表現も現れ、伝統的手法に捉われない作品も登場しています。

伝統的な技法と種類

日本画の制作には、独自の顔料と技法があり、その中には「大和絵」や「唐絵」、水墨画、浮世絵といった様々なスタイルが含まれます。流派としては、狩野派や円山派が存在し、各流派において技法も異なるため、多様な作品が生まれています。

このように、日本画は日本独自の美を追求し、現代でも様々な形で受け継がれています。技法やテーマの探求は今も続いており、伝統を重んじながらも新しい風を取り入れる姿勢が見受けられます。

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