日本郵船歴史博物館

日本郵船歴史博物館：海運の歴史を辿る旅

日本郵船歴史博物館は、神奈川県横浜市中区に位置する、日本郵船グループが運営する企業博物館です。この博物館は、日本の海運業の発展を支えてきた日本郵船の歴史を、貴重な資料や展示を通じて紹介しています。2023年4月1日から2026年9月30日頃まで、周辺の再開発に伴い休館していますが、再開館に向けて準備が進められています。

歴史

1993年、日本郵船横浜海岸通倉庫内に「日本郵船歴史資料館」として開館したのが始まりです。その後、2003年に隣接する横浜郵船ビルに移転し、「日本郵船歴史博物館」として再開館しました。この移転により、展示スペースが拡充され、より多くの資料が公開されるようになりました。

展示内容

博物館の常設展では、明治維新から現代までの日本郵船の歴史を、海運の変遷とともに詳細に紹介しています。展示は、以下のテーマで構成されています。

日本をひらく: 「郵便汽船三菱会社」の創業期の活動を紹介。
日本郵船誕生秘話: 「共同運輸会社」との競争を経て、日本郵船が誕生するまでの過程を解説。
世界にひらく: 海外航路開拓の時代に焦点を当て、国際的な海運網の拡大を紹介。
豪華客船時代の到来: 浅間丸に代表される、昭和初期の豪華客船の黄金期を展示。
戦争と壊滅: 太平洋戦争時における被害の状況を紹介。
復興への道: 戦後の復興期における航路回復の努力を解説。
総合海運会社への変革: 高度経済成長を背景とした多角化戦略を紹介。
安定成長への対応: オイルショックや海運不況以降の新たな試みを紹介。
NYKコーナー: 博物館本館と氷川丸の施設、日本郵船グループの事業を紹介（入館無料）

これらの展示を通じて、日本の海運業がどのように発展してきたのか、その軌跡を辿ることができます。

その他の施設

博物館には、展示室以外にも様々な施設があります。

オリエンテーションコーナー: 海運関係の図書約1500冊を所蔵。一部有料でコピーも可能です。
企画展示: 歴代の日本郵船の客船を紹介するコーナーを設置。
ティーコーナー: 休憩スペースとして利用できます。
ミュージアムショップ: 収蔵資料をモチーフにしたオリジナルグッズを販売。
中庭: 休憩やイベントスペースとして活用されています。

横浜郵船ビル

博物館が入居する横浜郵船ビルは、1936年に竣工した歴史的な建造物です。ギリシャ・コリント式の美しい外観を持ち、2003年の博物館への改修の際には、1階部分を竣工時のデザインに復元するなど、大規模な改修が行われました。この改修は高く評価され、第15回BELCA賞ベストリフォーム部門を受賞し、経済産業省の近代化産業遺産にも認定されています。

再開発と今後の展望

現在、博物館は周辺の再開発計画に伴い休館中です。横浜郵船ビルは保存されることになりましたが、隣接するビルは解体され、オフィスビルが建設される予定です。再開発後の横浜郵船ビルはホテルとして活用される予定で、博物館は再開発ビル内に移転し、再開館を目指しています。再開館は2026年10月頃を見込んでおり、新たな展示内容や施設が期待されます。

撮影・ロケ地としての利用

横浜郵船ビルは、TBSテレビドラマ「華麗なる一族」のロケ地としても使用されました。劇中では、主人公が訪問する銀行の外観として登場しています。

まとめ

日本郵船歴史博物館は、日本の海運業の発展と日本郵船の歴史を深く理解できる貴重な場所です。休館中ではありますが、再開館後には、より一層充実した展示と施設で、多くの来館者を出迎えてくれるでしょう。海運の歴史に興味がある方は、ぜひ再開館を楽しみにしていてください。