日本陶器

日本陶器株式会社は、日本の陶磁器洋食器メーカーであり、ノリタケカンパニーリミテド（現・ノリタケ）の子会社です。同社の食器事業における開発・生産部門としての役割を担っています。この会社は、株式会社ノリタケ九陶、株式会社ノリタケ伊万里、そしてノリタケカンパニーリミテドの食器生産技術部の三者が統合し、2000年4月1日に設立されました。

ノリタケカンパニーリミテドは、創業から1981年の改名まで「日本陶器」という社名でした。本稿では、この旧社名を「旧・日本陶器」と区別して記述します。

前身の企業

株式会社ノリタケ九陶

旧・日本陶器は1965年に耐熱強化磁器を開発しました。その量産を目的として、1967年10月18日に九州陶器株式会社が福岡県鞍手郡若宮町（現在の宮若市）に設立されました。1972年12月1日には、同じ敷地内に和食器を製造する九州乃りたけ陶芸株式会社が設立され、翌年には高級和食器工場も建設されました。1981年3月には九州陶器が九州乃りたけ陶芸を合併し、約500種類もの和洋食器を生産するようになりました。1993年7月1日、九州陶器は株式会社ノリタケ九陶へと社名を変更しました。

株式会社ノリタケ伊万里

1961年、旧・日本陶器は「アイボリーチャイナ」という新しいディナーセットを発売しました。これは硬度の高い硬質磁器であり、需要が増大したため、1967年5月31日に伊万里陶業株式会社が佐賀県伊万里市の工業団地に設立されました。これにより増産体制が整えられました。1979年1月には、高級磁器であるボーンチャイナの生産を開始し、1982年9月には旧・日本陶器からボーンチャイナの製造が全面的に移管されました。1987年には、汎用ロボットシステムを組み込んだ全自動成型ラインが採用され、生産の効率化が図られました。1993年7月1日、伊万里陶業は株式会社ノリタケ伊万里へと社名を変更しました。なお、アイボリーチャイナの生産は、ノリタケグループのノリタケ曽根やノリタケ日窯（後のノリタケ東濃、2001年3月31日に会社清算）に移管され、さらに1995年からはノリタケフィリピンへと移管されました。

日本陶器設立

2000年4月1日、株式会社ノリタケ九陶、株式会社ノリタケ伊万里、およびノリタケカンパニーリミテドの食器生産技術部の三者が統合し、日本陶器株式会社が設立されました。ノリタケカンパニーリミテドの前身名である「日本陶器」という名称を復活させたのは、かつての食器事業の隆盛を取り戻すという強い意志の表れでした。この合併により、絵付け用の転写紙の製造がノリタケカンパニーリミテド三好工場から日本陶器の伊万里、若宮事業所へと移管され、ノリタケ本社は食器の製造部門を持たなくなりました。

2001年9月28日には、硬質陶器を製造していたノリタケ井出を吸収し、日本陶器の加賀事業所として再編されました。現在、ノリタケグループの食器生産は、日本陶器、大倉陶園、ノリタケフィリピン、ノリタケランカポーセレンの4社が担当しており、組織集約による合理化が進められています。

しかし、2009年10月1日、日本陶器株式会社は親会社であるノリタケカンパニーリミテドに吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。この合併により、ノリタケグループの食器事業は更なる効率化と連携強化が図られることとなりました。

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