昌平橋

昌平橋：歴史と近代が交差する神田川にかかる橋

東京都千代田区、神田川に架かる昌平橋は、古くからこの地を繋いできた歴史的な橋です。秋葉原電気街の南西端に位置し、上流には聖橋、下流には万世[[橋]]が架かり、その周辺には昌平橋西橋詰広場と昌平橋東橋詰広場が整備されています。現在の中山道のルートに含まれており、かつてこの付近にあった筋違橋に代わる重要な役割を担っています。

江戸時代からの変遷：数奇な運命を辿った橋

昌平橋の歴史は古く、寛永年間（1624～1645年）には既にこの地に橋が存在したと伝えられています。当初は「一口橋」や「芋洗橋」と呼ばれ、幾度となく洪水によって流失を繰り返しました。享保13年（1728年）や寛延2年（1749年）の大洪水では、周辺の橋梁と共に流失し、その度に再建されました。明暦の大火の後には、火除地として「八ツ小路」「八辻ヶ原」が設けられましたが、弘化3年（1846年）の大火で再び焼失しています。木橋だった時代には、平均20年程度の寿命で定期的な架け替えが行われていました。

明治維新後、一時「相生橋」と改称されましたが、明治6年（1873年）の洪水で再び落橋しました。その後、旧昌平橋と筋違橋の間に「萬代橋」（眼鏡橋）が架けられましたが、明治11年（1878年）、現在の万世[[橋]]付近に高橋次郎左衛門によって鉄橋の昌平橋が架設されました。この橋は通行料を徴収する有料橋であり、「文久橋」とも呼ばれていました。秋田産の土瀝青（天然アスファルト）を使用した日本初のアスファルト舗装が施されたことでも知られています。

明治33年（1900年）、現在の位置に新たな昌平橋が架設され、それまでの鉄橋は「新萬世橋」と改称されました。

近代化と復興：鉄筋コンクリートアーチ[[橋]]への架け替え

現在の昌平橋は、大正12年（1923年）4月に架け替えられた鉄筋コンクリート製のアーチ[[橋]]です。竣工当時は、人道橋と東京市電専用の軌道橋が独立した構造で、間に水路橋が設けられていました。同年9月に関東大震災に見舞われましたが、大きな被害を受けることはありませんでした。

震災復興事業に伴い、昌平橋も改修され、人道橋の一部を車道・軌道専用橋に改修。同時に下流側に新たな人道専用橋を架設し、後に上流側の旧軌道橋も人道専用橋に改修されました。戦争中の金属供出により撤去された高欄と照明灯は、昭和58年（1983年）の整備工事で復元されました。平成24年（2012年）には、アーチ補修などの長寿命化工事が行われています。

昌平橋の周辺

昌平橋周辺には、神田郵便局や、かつて存在したヤマギワリビナ本館、石丸電気本店（現エディオン秋葉原本店）など、歴史的建造物や商業施設がありました。近年ではワテラスなどの再開発も進み、歴史と近代が調和した街並みが形成されています。

まとめ

昌平橋は、江戸時代から続く歴史と、近代的な都市開発が織りなす、千代田区を代表する橋梁です。幾多の災害や変遷を乗り越え、現在も人々の生活に寄り添い、地域の歴史と景観を繋ぎ続けています。その歴史と構造、そして周辺環境を含めて、昌平橋は日本の近代化を語る上で重要な存在と言えるでしょう。

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