朝市

朝市（あさいち）とは

朝市は、日曜日などの早朝に特定の場所に集まり、持ち寄った農産物や加工品などを売買する定期的な市場の形態を指します。この市場は一般的に「朝市」と呼ばれ、公道や公有地で行われることが多いですが、さまざまな手続きや届出が必要です。

日本の朝市の特徴

日本での朝市は、個別の路上販売や訪問販売とは異なり、特定の時間に集まって仮設の形で路上販売を行うスタイルが主流です。時には、農業協同組合や漁業協同組合が主催することもあり、地域観光のイベントとして地方自治体が開催する場合も多いです。中には、平安時代から続いている石川県輪島市の朝市や、安土桃山時代から続く千葉県勝浦市の朝市、さらには江戸時代から続く岐阜県高山市の飛騨高山朝市など、長い歴史を持つ朝市も存在します。

開催される場所としては、一定の場所で行われるものが多いですが、月に数回異なる場所で開催される朝市（勝浦の朝市など）や、曜日ごとに場所が変わる朝市（高知朝市など）もみられます。実際には「朝市」と呼びながら、朝以外の時間帯に営業している市場も少なくありません。

2000年代以降には、「軽トラ市」として知られる軽トラックの荷台での販売スタイルも広がっています。

代表的な日本の朝市

仮設定期市

- 館鼻岸壁朝市（青森県八戸市）: 約350店舗
- 陸奥湊駅前朝市（青森県八戸市）: 約100店舗
- 神子田朝市（岩手県盛岡市）: 毎朝4時から年間300日開催
- 五城目朝市（秋田県五城目町）

- 勝浦朝市（千葉県勝浦市）
- 上越の朝市（新潟県上越市）
- 魚津の朝市（富山県魚津市）
- 輪島朝市（石川県輪島市）
- 七間朝市（福井県大野市）
- 宮川朝市（岐阜県高山市）
- 陣屋前朝市（岐阜県高山市）
- 豊橋朝市（愛知県豊橋市）: 2と7のつく日以外は毎日開催。
- 備前岡山京橋朝市（岡山県岡山市）
- 呼子朝市（佐賀県唐津市）
- 勝本朝市（長崎県壱岐市）
- 川南トロントロン軽トラ市（宮崎県川南町）

常設市場

- 函館朝市（北海道函館市）
- 仙台朝市（宮城県仙台市）
- ゆりあげ港朝市（宮城県名取市）
- 西駅前朝市・指宿線朝市（鹿児島県鹿児島市・鹿児島中央駅前）: 第二次大戦後間もなく開業し、1950年代には多くの業者が営業していましたが、2018年3月に廃業しました。

中国の朝市

中国では朝市のことを「早市」と呼び、生鮮食品の自由市場として広く利用されていました。1990年代初めまでは、農民や零細の小売商人による対面販売が主流であり、国有の生鮮食品専門店が存在しました。現在でも、朝市は地域の文化や日の出とともに新鮮な食材を提供する場所として重要な役割を果たしています。

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