杉浦非水

杉浦非水について

杉浦非水（すぎうら ひすい、1876年5月15日 - 1965年8月18日）は、日本の近代グラフィック[[デザイン]]の先駆者であり、その影響は今なお広がっています。本名は杉浦朝武（すぎうら つとむ）であり、彼は日本画家を志しながらも、グラフィック[[デザイン]]の道に進むことになります。

初期の生活と学び

愛媛県松山市に生まれた杉浦は、白石朝忠の長男として育ちました。その後、杉浦祐明の養子となり、四条派の画家、松浦巖暉に師事して日本画を学びました。1897年に上京し、川端玉章の指導を受けながら東京美術学校に入学。彼の才能は洋画家・黒田清輝との出会いによってさらに開花し、洋画や欧風図案に強い関心を持つようになります。

キャリアのスタート

1901年に東京美術学校を卒業した杉浦は、大阪三和印刷所にて図案部の主任として活躍しましたが、翌年には同社が図案部を解散したため、退社します。その後、雑誌の表紙デザインを通じてモダンな欧風図案（アール・ヌーボー）を手がけ、名声を高めていきました。1904年には教諭として島根県の学校に赴任し、翌年再度上京して中央新聞社に転職します。

三越時代とデザインの展開

1908年に三越に雇われ、同店の嘱託デザイナーとして活動を開始します。ここでは『みつこしタイムス』の表紙を担当し、1910年には図案主任に昇進。その後、雑誌『三越』を発刊し、幅広くデザインを手掛けました。特に1920年代には、外向けのパンフレットの装丁やタバコのパッケージデザインを数多く手掛け、その名を不動のものにしました。

ヨーロッパ留学と団体活動

彼は1922年にヨーロッパへ留学し、帰国後はポスターや図案に関する研究団体である「七人社」を結成しました。この団体は、近代美術表現を取り入れた新しいデザインを追求し、国内の商業美術に革命をもたらしました。

業界への貢献と受賞歴

また1937年には全日本商業美術連盟を結成し、委員長に就任。彼の業績は数々の受賞につながり、1955年には日本芸術院恩賜賞、1958年には紫綬褒章を受章しました。最後の栄誉として、1965年に勲四等旭日小綬章を受賞し、その年に生涯を閉じました。

家族と影響

杉浦非水の妻はアララギ派の歌人である杉浦翠子であり、彼女の兄は実業家の福澤桃介です。杉浦の作品は東京国立近代美術館や愛媛県美術館などに展示されており、彼の影響力は世代を超えて受け継がれています。

主な作品と著作

彼の主なデザインには、三越呉服店の「春の新柄陳列会」ポスターや、タバコのパッケージデザイン、月刊ポスター研究雑誌『アフィッシュ』などがあります。多方面での活動を通じ、杉浦非水は日本のグラフィック[[デザイン]]において重要な足跡を残したのです。

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