東京ガーデンテラス紀尾井町

東京ガーデンテラス紀尾井町は、東京都千代田区紀尾井町に位置する、西武グループが運営する大型複合商業施設です。かつて「赤プリ」の愛称で親しまれたグランドプリンスホテル赤坂（旧赤坂プリンスホテル）の跡地を再開発し、オフィス、ホテル、商業施設、賃貸住宅など多様な機能を集約した施設として生まれ変わりました。

施設は、主に「紀尾井タワー」と「紀尾井レジデンス」の2つの建物で構成されています。紀尾井タワーには、プリンスホテルの最上位ブランドである「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」やオフィス、商業施設が入居し、紀尾井レジデンスは全室賃貸の高級マンションです。また、旧李王家東京邸を移築・復元した「赤坂プリンス クラシックハウス」も敷地内にあり、歴史的建造物を活用したレストランやバンケット施設として利用されています。

施設の概要と特徴

東京ガーデンテラス紀尾井町の開発コンセプトは、「豊かな自然と歴史に抱かれた国際色豊かな街づくり」です。周辺の恵まれた自然環境と歴史的背景を尊重し、都市機能の更新と土地の高度利用を両立させることを目指しました。紀尾井町通りの緑化や風格ある街並みの形成を図るとともに、歩行者の回遊性を高めるための沿道整備や複合機能の集積によって、国際的な複合市街地としての発展を目指しています。

施設は、赤坂見附駅、永田町駅、麹町駅など複数の駅に近接しており、交通の便にも優れています。また、紀尾井町通りとプリンス通りをつなぐ歩行者ネットワークの中核としての役割も担っています。

2本のタワーは、紀尾井町通りの軸線に合わせて雁行配置されており、赤坂見附側からの抜け感を演出しています。タワーの高さは周辺の建物との調和を考慮し、紀尾井タワーは約180m、紀尾井レジデンスは約90mとなっています。外装デザインは、「和の粋」を取り入れた重箱をモチーフとし、水平ラインやブリーツ状のカーテンウォールが特徴的です。

沿革

2002年に紀尾井町まちづくり協議会が発足し、地区計画の策定や都市計画決定を経て、2013年に新築工事が開始されました。2016年7月には正式にオープンし、2021年にはデジタル庁がビル内に設置されました。この間、2019年には、従前のグランドプリンスホテル赤坂新館に続いてBCS賞を受賞しています。

主要施設

紀尾井タワー:
1階から3階は商業施設、4階は商業施設とコンベンションホール、5階から28階はオフィスとなっています。商業エリアは、飲食テナントを中心に構成されており、紀尾井町通りとプリンス通りをつなぐ歩行者ネットワークの重要な軸としての役割を担っています。オフィスフロアは、約1,000坪超の広さを持ち、自由度の高い空間となっています。

ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町:
プリンスホテルが運営する最高級ホテルで、30階から36階に客室、レストラン、バー、スパ&フィットネス施設が設置されています。

赤坂プリンス クラシックハウス:
旧李王家東京邸を移築・復元した歴史的建造物で、レストランやバンケット施設として利用されています。邸宅としての歴史を継承しつつ、近代的な増築部分が加えられ、新しい時代のおもてなし空間として活用されています。

紀尾井レジデンス:
地上21階建ての賃貸住宅で、1LDKから4LDKの部屋タイプがあります。周辺の緑や歴史的建造物の風景を取り込む住戸計画や、美しい納まりとシルエットを追求したデザインが特徴です。共用部には、エントランスホール、パーティルーム、フィットネス、駐車場、駐輪場などが設けられています。

ランドスケープ

施設内のランドスケープは、プリンス通り、紀尾井通り、弁慶濠から清水谷公園へと続く3つの空間軸と、7つの景を通して表現されています。花の広場、弁慶濠沿いの桜並木、水の広場、芽生えの庭、光の森など、多様な景観が楽しめます。

交通

東京メトロ銀座線・丸ノ内線 赤坂見附駅より徒歩3分
東京メトロ有楽町線・半蔵門線・南北線 永田町駅より徒歩3分
* JR中央・総武線 四ツ谷駅より徒歩10分

また、都営バスやコミュニティバス、空港リムジンバスも利用可能です。

東京ガーデンテラス紀尾井町は、都心の利便性と豊かな自然が調和した、国際的な複合市街地として、今後も発展が期待されます。

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