東京山九フェニックス

東京山九フェニックス（Tokyo SANKYU Phoenix）は、日本の女子ラグビーチームです。東京都渋谷区を主な活動拠点とし、女子7人制ラグビーおよび女子15人制ラグビーの分野で競技活動を行っています。2019年度からは、山九株式会社がチームのネーミングライツスポンサーとなり、その名を冠して活動しています。

チームは近年、目覚ましい成果を上げており、2022年度には7人制と15人制それぞれの全国大会で優勝し、二冠を達成しました。さらに、2023年度には全国女子ラグビーフットボール選手権大会で二年連続の優勝を果たし、国内女子ラグビー界における強豪としての地位を確立しています。

チームの沿革

東京山九フェニックスのルーツは、2002年に日本体育大学ラグビー部女子の卒業生たちによって設立された「フェニックス（PHOENIX）」というチームに遡ります。設立メンバーの中には、後に女子ラグビー日本代表の監督を務めた浅見敬子氏も名を連ねています。当初は日本体育大学OGチームとしての性格が強かったものの、2013年には一般社団法人Tokyo Athletic Unitedが運営母体となり、チーム体制を一新。名称を「東京フェニックス」に変更し、活動拠点を東京に移しました。この刷新に伴い、四宮洋平氏がオーナー兼監督に就任しています。現在、設立母体である日本体育大学との直接的な人的交流は限定的となっており、チームは独自の道を歩んでいます。

活動拠点は、2017年に本拠地と練習拠点を渋谷区に移しました。その後、2019年4月に山九株式会社とのネーミングライツ契約締結に伴い、チーム名を現在の「東京山九フェニックス」に変更すると同時に、練習拠点を横浜市都筑区に移しています。このように、チームは設立以来、運営体制や活動拠点を変化させながら発展を遂げてきました。

渋谷区との連携も深く、2021年6月には渋谷区のスポーツ振興などに連携する「PLAY渋谷区」として認定されています。

主な戦績

東京山九フェニックスは、主要な国内女子ラグビー大会において数々の実績を残しています。

15人制ラグビーでは、全国女子ラグビーフットボール選手権大会が最も重要な大会の一つです。この大会は、関東女子ラグビーフットボール大会の上位チームと西日本の上位チームがトーナメント形式で日本一を争います。東京山九フェニックスの前身である東京フェニックスは、2017年3月19日開催の第3回大会にTKM、ARUKASとの合同チーム「TPA」として出場し、優勝を経験しています。チームとして初めて単独で15人制の大会に出場したのは2021年度で、第32回関東女子ラグビーフットボール大会で総合4位となりました。そして、2022年度の第9回全国女子ラグビーフットボール選手権大会で単独チームとして初優勝を飾ると、翌2023年度の第10回大会でも優勝を果たし、見事連覇を達成しました。

7人制ラグビーでは、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズが国内最高峰の大会です。このシリーズは年間を通じて複数回開催され、各大会の成績に応じたポイントの合計で年間総合順位が決定されます。東京山九フェニックスは、2022年度のシリーズにおいて年間総合初優勝を果たしました。これにより、同年度内に7人制と15人制の両全国大会で優勝するという快挙を成し遂げました。

国際的な活動としては、2014年のバンコク国際セブンズで準優勝した実績があります。また、近年では海外遠征も積極的に行っており、2024年2月から3月にかけてはオーストラリア遠征を実施。現地の女子リーグ「スーパーW」に所属するクラブチームとの対戦を通じ、チーム力の向上に努めました。

これらの輝かしい戦績は、チームの強化と成長、そして選手たちの献身的な努力の証と言えるでしょう。東京山九フェニックスは、今後も女子ラグビーの発展に貢献していくことが期待されます。

東京山九フェニックス