板宿駅

板宿駅：山陽電鉄と神戸市営地下鉄が交差する、神戸の主要駅

板宿駅は、兵庫県神戸市須磨区に位置する、山陽電気鉄道と神戸市営地下鉄西神・山手線が乗り入れる重要な交通拠点です。本稿では、駅の概要から歴史、構造、周辺環境、さらには1937年から1971年まで運行されていた神戸市電板宿線についても解説します。

駅の歴史

山陽電気鉄道

山陽電気鉄道板宿駅は、1910年3月15日、兵庫電気軌道によって兵庫（現在の電鉄兵庫駅）～須磨（現在の山陽須磨駅）間の開通と同時に開業しました。その後、1912年には駅舎を300メートル東に移設。1927年には宇治川電気、1933年には山陽電気鉄道へと経営が移り変わります。1965年には駅舎が改築され、1987年には山陽特急の停車駅となりました。1995年の阪神・淡路大震災では大きな被害を受けましたが、1995年3月24日には地下駅として再開、同年6月18日には全線での運行を再開しました。

神戸市営地下鉄

神戸市営地下鉄西神・山手線板宿駅は、1977年3月13日の路線開業と同時に営業を開始しました。1993年には快速運転が開始されましたが、1995年の阪神・淡路大震災で被災。同年1月18日には西神中央～板宿間で営業を再開、2月16日には全線での運行を再開しました。その後、快速運転は廃止され、2011年から2019年までは駅名標下に「滝川中学校高等学校前」の広告が掲出されていました。現在、老朽化対策として大規模な改修工事が計画されています。

神戸市電板宿停留所

現在の地下鉄駅のほぼ真上に位置していた神戸市電板宿停留所は、1937年4月1日、板宿線大橋町九丁目～板宿間開通により営業を開始しました。しかし、1971年3月14日、板宿線の廃止に伴い、停留所も廃止されました。この板宿線は、神戸市電最後の営業路線でした。

駅の構造

山陽電気鉄道と神戸市営地下鉄の駅は地下で接続していますが、地下鉄の方が地下深くに位置しているため、連絡改札はなく、一度地上に出る必要があります。

山陽電気鉄道

地下2階に相対式ホーム2面2線の構造で、改札口は1箇所のみです。地下1階にはコンコースと改札口があり、駅売店「LAWSON+friends山陽板宿ちか店」があります。

神戸市営地下鉄

地下3階に島式ホーム1面2線の構造です。地下1階にはコンコースと改札口があります。駅は老朽化が進んでおり、2024年から2027年にかけてリニューアル工事が予定されています。

出口と周辺環境

板宿駅には複数ある出口から、それぞれ異なる方向へアクセスできます。北口、南口、さらに複数の出口番号が設けられています。周辺には、板宿本通商店街を始めとする活気のある商店街や、イオンフードスタイルを核としたビバタウン板宿などがあり、古くからの住宅地と商業施設が混在する地域です。南側は居酒屋街となっています。また、駅周辺には学校（滝川中学校・高等学校、育英高等学校、須磨学園中学校・高等学校など）、神戸市須磨区役所、そして歴史ある神社仏閣（板宿八幡神社、禅昌寺など）なども存在します。

利用状況

板宿駅は、神戸市の中心部である三宮駅へのアクセスが便利なことから、山陽電気鉄道と神戸市営地下鉄の両方で多くの利用者がいます。両社局は、三宮駅までの割引乗車券を発売するなど、競合関係にあります。2022年度の1日あたりの乗車人員は、山陽電気鉄道が約10,899人、神戸市営地下鉄が約12,106人となっています。

アクセス

バス路線も充実しており、駅周辺には複数のバス停があります。ただし、駅前広場やバスターミナルは整備されていません。

まとめ

板宿駅は、山陽電気鉄道と神戸市営地下鉄が接続する、神戸市須磨区の重要な交通拠点であり、歴史と活気に満ちた地域の中心として機能しています。周辺環境も充実しており、多くの利用者にとって便利な駅と言えるでしょう。今後、老朽化した地下鉄駅の改修工事も予定されており、さらなる利便性向上も期待されます。

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