校友会

校友会：戦前における学校組織の実態

校友会とは、戦前の旧制中学校、高等女学校、実業学校、旧制高校、旧制専門学校、大学などに存在した、生徒と教職員によって構成された組織です。現代の学生自治会や生徒会、同窓会といった組織の前身にあたると言えるでしょう。特に第二次世界大戦前においては、部活動や運動会、学芸会といった課外活動を統括する上位組織として機能していました。

概要

校友会は、学校における課外活動を円滑に進めるための組織として設立されました。会員は生徒と教職員で構成され、学校長が会長を務めるのが一般的でした。部活動の部長は教員が担当し、生徒たちはその下で活動を行っていました。しかし、戦後は生徒や学生が会長を務める生徒会や学生自治会へと移行しました。ただし、戦前にも自治的な組織が存在していたことは注目に値します。

旧制高校においては、応援団も校友会に位置づけられ、対抗競技の際には校友会員が中心となって応援活動を行っていました。

組織

校友会の組織は学校によって異なり、生徒会よりも多様性がありました。会員は、生徒が通常会員、教職員が特別会員となるケースが一般的でした。

役員

役員には、学校側役員、生徒役員、そして学校側と生徒の両方から選出される役員がいました。学校長が会長を務めることが多かった一方、要職は教員が担当する例が多く見られました。生徒役員の選出方法は、各部活動からの選出、各クラスからの選出、全校または上級生からの選出など、学校によって様々でした。生徒役員は、互選や選挙、または教師の指名によって選ばれました。部活動からの選出の場合、責任者（部長など）は教師が務め、その下に生徒の役員（委員など）を置くのが一般的でしたが、一部の学校では生徒が責任者となる場合もありました。

生徒役員は、学校側役員の指揮下で事務を行うと規定されていた学校もあれば、役職自体が意思決定権を持つ学校もありました。中には、生徒役員が現在の生徒会長に近い役割を果たしていた学校や、ごくまれに生徒が会長を務めていた学校も存在しました。

決議及び協議機関

校友会には、役員会、委員会、評議会といった名称の役員会が設置されていました。役員会は、校友会の運営に関する様々な事項を決定・協議する場であり、生徒役員も参加していました。しかし、校長の権限が強く、校長の意向が反映されることが多かったようです。総会は、一部の学校でのみ開催されていました。

維持

校友会の運営は、会員からの会費によって維持されていました。

活動内容

校友会では、現在の部活動と同様の活動が行われていました。また、運動会や学芸会、展覧会、バザー、記念祭など、現在で言う体育祭や文化祭に相当するイベントも開催されていました。さらに、修学旅行や校友会誌の発行も行っていました。校友会誌には、著名な作家の作品が掲載されることもありました。

歴史

校友会は、明治10年代終わり頃から設立され始め、多くの学校では20年代後半以降に設立されました。設立の背景には、放課後の運動グループの自然発生的な発生や、学校側が組織を統括する必要性があったことなどが挙げられます。

しかし、中には自治権拡大を求めて校友会改革運動が起こり、学校騒動に発展した学校もありました。1940年秋には、文部省から「学校報国団ノ組織ニ関スル要綱」が出され、1941年4月頃には、ほとんどの学校で校友会・学友会・自治会等が学校報国団に改組されました。その後、学校報国隊が学徒勤労動員され、年々強化されていきました。

終戦後の1945年9月26日、文部省は学校報国団を解体し、自治的な校友会に再編するように通牒しました。これにより、校友会・学友会等が復活し、生徒会や学生自治会などへと再編されて現在に至ります。

事例

いくつかの学校における校友会の事例を見てみましょう。

松本中学校: 相談会（生徒全体会議）と矯風会（生徒の風紀取締機関）を設け、それぞれ正副会長を生徒が務めていました。
島根県尋常中学校: 同窓会という名称で、会長および役員が上級生から選挙で選出されていました。
静岡中学校: 委員長・副委員長は互選により選ばれ、会頭が任命していました。
東京府尋常中学校: AS会（運動）と以文会（学芸）を解散し、学友会を設立しました。
諏訪中学校: 学友会では、1898年から1912年、1914年から1948年まで生徒が会長を務めていました。
伊那中学校: 1929年に生徒から校友会自主化が取り組まれ、生徒の一部が「校友権・自主権を確保せよ」と月曜会という組織を結成しました。その一方で、保守派の生徒は同志会を結成し、対抗活動を展開。校友会幹事選挙で月曜会が敗北した後、暴力事件に発展し、一部の生徒が退学、関係者が検挙されました。
第二高等学校: 校友会改革を求めて、同盟休校が起きました。
東京帝国大学: 学友会は、内部対立により1928年に解散しました。
弘前高校: 校長の校友会費横領により、同盟休校が起きました。
旭川市立高等女学校: 三浦綾子は、民主的な自治会活動を通して校則を次々と変えていったと述べています。

関連事項

校友会は、学生自治会、生徒会、学友会などの前身であり、旧制中学校、高等女学校、実業学校、旧制高等学校、旧制専門学校、旧制大学などと密接な関係があります。これらの組織の歴史を紐解く上で、校友会の存在は欠かせない要素と言えるでしょう。

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