極楽駅

極楽駅：幸福を願う旅の始点

岐阜県恵那市岩村町飯羽間に位置する明知鉄道明知線の極楽駅は、その名の通り、訪れる人々に安らぎと幸福を届けるような場所です。駅番号は6。2008年に開業した明知線で最も新しい駅であり、無人駅として、地域の足として親しまれています。

駅名の由来と地域の願い

極楽駅の駅名は、周辺地域の字名と、かつてこの地にあった極楽寺という寺院に由来します。特筆すべきは、仏教における理想郷「極楽」を直接駅名に採用した日本初の例であること。この名称は公募によって選ばれ、地域住民の願いが込められています。

建設費用は約2,160万円。地元スーパーマーケット、バローからの1,080万円の寄付金が、駅の建設を大きく後押ししました。駅名が持つ縁起の良さから、駅を訪れること自体を目的にする人や、記念に硬券切符を購入する旅行者が後を絶ちません。特に「極楽行き」の切符は人気で、年間数千人もの購入者がいます。

プラットホームには、地蔵菩薩像や、岩村藩出身の儒学者・佐藤一斎の『言志四録』の一文を刻んだ碑文が設置されており、訪れる人々を優しく見守っています。

進化する駅舎

開業後、「極楽らしさが足りない」という声を受け、駅舎は2019年に改修されました。觔斗雲をイメージしたベンチ付き待合所や、後光が差すように写真撮影できるスポットが新設され、より魅力的な空間へと生まれ変わりました。改修費用には、岐阜県地方鉄道利用促進事業からの補助金や、クラウドファンディングによる寄付金が充てられました。

歴史

2008年（平成20年）12月25日：開業。
2012年（平成24年）3月17日：ダイヤ改正により急行「大正ロマン号」の下り列車が停車。
2017年（平成29年）3月4日：ダイヤ改正により上り列車も急行「大正ロマン号」が停車。これにより上下列車とも停車。
2018年（平成30年）3月17日：ダイヤ改正により平日上り最終快速列車が通過。
* 2019年（令和元年）12月23日：駅舎の改修完成式。

駅構造

1面1線の単式ホームを持つ地上駅で、無人駅です。ホームは、愛知万博開催時に愛知環状鉄道 万博八草駅（現・八草駅）のホーム拡張に使われたものが再利用されています。

利用状況

地域住民の足として、また観光客にも利用されています。

駅周辺

駅周辺には、商業施設や住宅地が広がっています。

隣の駅

明知鉄道

■明知線

急行「大正ロマン号」停車駅

飯羽間駅（7） - 極楽駅（6） - 岩村駅（5）

極楽駅は、そのユニークな名前と地域住民の温かい思いが込められた、訪れる人々に幸福を届ける駅です。明知鉄道の旅の際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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