楽寿園

楽寿園：歴史と自然が織りなす三島のオアシス

楽寿園は、静岡県三島市一番町に位置する、有料の公園兼動物園です。三島市によって運営されており、その歴史は古く、古墳時代の名残も感じられます。かつては小浜山と呼ばれ、愛染院、浅間神社、広瀬神社の社寺域でした。明治時代には小松宮彰仁親王の別邸、そして韓国の李垠王世子の別邸「昌徳宮」としても利用されました。その後、実業家の緒明圭造氏の手に渡り、1952年に三島市が買い取って、一般公開されました。

1954年には、小浜池と周囲の自然林を含む庭園が国の天然記念物および名勝に指定され、2012年には伊豆半島ジオパークのジオサイトにも指定されるなど、その価値が認められています。園内は、約1万5千年前の富士山の噴火で流出した三島溶岩流によって形成された地形を活かした日本庭園が広がっており、小規模な遊園地や動物園も併設されています。

歴史的建造物と庭園

楽寿園の目玉の一つが、1890年に建てられた「楽寿館」です。京都風の高床式数寄屋造りの建物で、内部には滝和亭をはじめとする明治時代の画家たちの作品が展示されており、一般公開されています。また、園内南側には湧水によって形成された「小浜池」があります。この池は、三嶋大社の祭典との関わりからその名が付けられたとされ、蓮沼川と源兵衛川の起点となっています。かつては三島湧水群を代表する水量を誇っていましたが、近年は湧水の枯渇が問題となっています。小浜池では1930年にミシマバイカモが発見されています。

動物とのふれあい

楽寿園には、「どうぶつ広場」と「どうぶつふれあい広場」という二つの動物エリアがあります。どうぶつ広場では、ホオジロカンムリヅルやアルパカ、ニホンザルなど、様々な動物たちを見ることができます。過去にはキリンやインドゾウといった大型動物も飼育されていましたが、現在はより小さな動物たちが中心です。どうぶつふれあい広場では、カピバラやモルモットなど、動物たちと直接触れ合うことができます。

その他の施設

園内には、三島市周辺地域の歴史や文化を紹介する「三島市郷土資料館」もあります。入館料は無料で、地域の歴史を学ぶことができます。また、園内にはC58形322号機の蒸気機関車が静態保存されており、鉄道ファンにとっても見逃せないスポットです。

アクセスと周辺情報

楽寿園は、JR三島駅から徒歩圏内に位置しており、アクセスも便利です。周辺には、印野の熔岩隧道や駒門風穴、柿田川など、伊豆半島の自然や歴史を感じられるスポットが点在しています。また、三島市のご当地パンである「のっぽパン」のパッケージに描かれているキリンは、かつて楽寿園で飼育されていたものがモチーフとされています。

楽寿園は、豊かな自然と歴史、そして動物とのふれあいを同時に楽しめる、魅力的な公園です。三島を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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