武田豊樹

武田 豊樹の競技歴

武田豊樹は1974年に北海道斜里町で生まれ、釧路緑ヶ岡高等学校を卒業後、スピードスケート選手としてそのキャリアをスタートさせました。高校時代には、長野オリンピック500メートル金メダリストの清水宏保と同じ年度で競い合い、優れた成績を収めていました。しかし、卒業後に王子製紙スケート部に所属したものの、伸び悩みを感じ、1997年に現役を一時引退し競輪学校入学を目指しますが、試験には不合格となりました。

その後、4畳半のアパートでの生活の傍ら橋本聖子議員の運転手をしていた際、成田国際空港で清水と再会します。清水とともに練習を重ねることで、スピードスケートへの情熱が再燃し、1998年には競技に復帰。この頃から彼の競技人生は大きく変わります。2001年には、W杯カルガリー大会の男子500メートルで優勝し、2002年のソルトレークシティオリンピックにも出場しました。

競輪選手としての転身

オリンピック後、武田は29歳未満の選手を対象にした特別選抜入学へと決意を新たにし、競輪選手に転向することを明言します。競輪学校では異種目からの特別入試で合格し、卒業後は日本[[競輪選手会]]茨城支部に所属しました。彼はスピードスケート時代から指導を受けていた川村恵三に弟子入りします。

2003年7月4日、武田は立川競輪場でデビューを果たし、初出走で初勝利を挙げます。しかし、その直後に落車して右鎖骨を骨折し、厳しい時期を迎えます。しかし、復帰後は勢いが増し、2004年1月にはA級3班からS級2班への史上最速の昇級を達成。さらに同年7月には寬仁親王牌でGI初出場し、注目を浴びます。

その後も、競輪界での彼の輝かしいキャリアが続きます。2005年にはラ・ピスタ新橋とスポンサー契約を結び、この年にはKEIRINグランプリに出場し、3位に入賞しました。2008年11月にはふるさとダービーで初のGII優勝を果たし、競輪界での名を広めました。

主な成果とスタイル

2009年、武田は岸和田競輪場での日本選手権競輪で初優勝を収め、さらに高松宮記念杯でも優勝します。以降も彼は常にトップ選手として活躍し続け、2014年にはKEIRINグランプリで初優勝を達成、年間賞金王にも輝きました。彼の能力は、捲りが主体の戦法にシフトしてからの位置取りや差し脚の安定性に顕著に表れています。競技の中で「負けパターンを意識した競争」を意識し、他選手の牽制にも強い戦術を展開します。これにより、彼は神山雄一郎をはじめとする競輪選手から絶大な信頼を得ています。

エピソードと影響

武田はデビュー前から評価が高く、2006年から1年間、競輪のテレビCMにも出演していました。また、スピードスケート経験を活かし、後輩選手への指導も積極的に行っています。特に牛山貴広に対しては熱心に指導しており、彼の成長を期待する姿勢が伺えます。デビュー以来の落車や不祥事も経験し、そのたびにキャリアを立て直してきた彼は、競輪界においてその存在感を強めています。

武田豊樹の競技人生は、彼の努力と挑戦の連続であり、多くのファンに支持され続ける理由となっています。彼の物語は、スピードスケートから競輪への転身と、その道を極めることへの情熱の証です。

もう一度検索