江平駅

江平駅（ごうびらえき）：三江線の記憶

江平駅は、かつて島根県邑智郡邑南町上田江平に存在した、西日本旅客鉄道（JR西日本）三江線の駅でした。2018年4月1日、三江線全線廃止に伴い、惜しまれつつもその歴史に幕を閉じました。

歴史

江平駅は、1963年6月30日に三江南線の式敷駅 - 口羽駅間延伸時に開業しました。当初から無人駅であり、旅客営業のみを行う静かな駅でした。1975年8月31日には、江津駅 - 三次駅間が全通し、三江南線が三江線の一部となったことで、江平駅も三江線に組み込まれました。国鉄分割民営化により、1987年4月1日からは西日本旅客鉄道が駅を承継し、管理していました。

しかし、利用者の減少に伴い、2018年4月1日、ついに三江線全線が廃止され、江平駅もその役割を終えることとなりました。

駅構造

江平駅は、三次方面に向かって右側、つまり構内の西側に単式ホーム1面1線を持つ地上駅（停留所）でした。廃止時には浜田鉄道部が管理する無人駅で、ホーム上には屋根付きのベンチが設置されただけの、簡素な造りとなっていました。駅には自動券売機などの設備はなく、直接ホームに入る形となっていました。

利用状況

江平駅の近年の1日平均乗車人員は、1994年度には11人、1984年度には25人でした。過疎化が進むにつれて利用者は減少し、廃止へと繋がっていきました。

駅周辺

江平駅は、江の川沿いの山間に位置し、対岸には国道375号線が走っています。駅の北側と西側には集落があり、西側の集落を抜けると上田・平佐の棚田が広がります。ただし、棚田は駅からやや離れた場所に位置しています。周辺には、備北交通のバス停「丹渡」があり、作木線が利用できました。また、駅付近には江の川に架かる丹渡橋があり、少し足を伸ばせば常清滝を訪れることもできました。

その他

三江線活性化協議会によって、江平駅には石見神楽の演目名にちなんだ「五龍王」という愛称が付けられていました。これは、地域に根ざした鉄道として、親しまれていた証拠と言えるでしょう。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

■三江線

口羽駅 - 江平駅 - 作木口駅

江平駅は、三江線の歴史を語る上で欠かせない駅の一つです。廃止後も、その名は地域の記憶に残り続けるでしょう。

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