沖縄県立博物館

沖縄県立博物館の概要

沖縄県立博物館は、沖縄の歴史や文化を保存・展示する役割を持った重要な施設でした。もともとは1936年に首里城内に開設された「沖縄県教育会附設郷土博物館」がその始まりであり、これは沖縄県における初期の本格的な博物館でした。しかし、1945年に発生した沖縄戦によって、同館は全焼し、多くの文化財が失われました。

戦後直後の1945年8月、琉球列島米国軍政府のウィラード・A・ハンナ少佐の指導のもと、文化財の収集が行われ、「沖縄陳列館」がうるま市に設立されました。この施設は1946年4月に沖縄民政府に移管され、「東恩納博物館」として再出発しました。また、同年5月には首里市立の「郷土博物館」が設立されました。この博物館も1947年に沖縄民政府に移され、「首里博物館」に改称されました。

1953年、首里博物館は東恩納博物館を吸収し、1955年には「琉球政府立博物館」と改名されました。1966年には新たに設立された中城御殿跡に移転し、1972年には本土復帰に伴い「沖縄県立博物館」と名を変え、さらには2階部分の増築も行われました。この博物館は、地域の自然や文化に関する貴重な資料を展示し、広く市民に親しまれました。

しかし、1990年代には建物の老朽化が問題となり、新しい沖縄県立博物館・美術館の建設が決まります。2006年3月には、移転のために一時休館となり、所蔵品は新しい施設へと移送されました。2007年3月には正式に閉館が決まり、2009年には取り壊されることとなりました。博物館があった場所には、琉球王国時代の旧中城御殿の塀が保存されており、沖縄戦の銃弾痕が残っていることから、過去の歴史を物語る貴重な地域の財産として存在しています。

沿革

沖縄県立博物館の歴史は以下のように進展しました。

• - 1936年7月：沖縄県教育会附設郷土博物館開館。
• - 1945年5月：沖縄戦により博物館全焼。
• - 1945年8月：沖縄陳列館が設立。
• - 1946年3月：首里市立郷土博物館設立。
• - 1946年4月：沖縄陳列館が沖縄民政府に移管。
• - 1947年12月：首里市立郷土博物館が沖縄民政府に移管。
• - 1953年3月：首里博物館が東恩納博物館を吸収合併。
• - 1966年10月：自由館が中城御殿跡に落成。
• - 1972年5月：沖縄本土復帰に伴い「沖縄県立博物館」と改称。
• - 2006年3月：新館へ移転のため休館。
• - 2007年3月：沖縄県立博物館・美術館への移転完了、閉館。

沖縄県立博物館は、多くの人々にとって地域の歴史を学び、文化に触れる重要な場所であり続け、多くの思い出が詰まった施設でした。

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