法善寺

法善寺

法善寺は、大阪市中央区難波に位置する浄土宗の寺院で、山号を天龍山と称します。本尊は阿弥陀如来で、訪れる人々が水をかけることで知られる「水掛不動」が特に有名です。この不動明王は全身が苔に覆われた独特の姿をしており、信仰を集めています。

歴史

法善寺は、もともと山城国宇治郡北山村に琴雲上人によって開山されました。寛永14年（1637年）に中誉専念上人が金比羅天王懇伝の故事により現在の場所に移転したとされています。別の説では、同じ年に現在の大阪市天王寺区上本町8丁目から移り、寛永21年（1644年）から千日念仏回向が始まったとも伝えられています。

文政2年（1828年）に一度焼失しましたが、澄誉によって再建されました。しかし、嘉永5年（1852年）に再び焼失。その後、安政2年（1855年）に見誉が再建を果たしました。

1945年（昭和20年）3月13日・14日の大阪大空襲では、水掛不動明王を残して堂宇はすべて焼失するという被害を受けました。

1955年（昭和30年）頃には、同じ浄土宗の寺院であり、大阪新四十八願所阿弥陀巡礼第37番札所である長圓寺と縁を結びました。1960年（昭和35年）頃には、金毘羅堂や庫裡などが再建されましたが、本堂は再建されていませんでした。そこで、法善寺は長圓寺を法善寺別院とし、そこに本尊の阿弥陀如来を移して法善寺本堂を建立しました。

法善寺横丁

法善寺の北側にある細い通りは、かつては境内の一部であったため、法善寺裏や法善寺露地などと呼ばれていました。昭和初期に織田作之助の小説『夫婦善哉』や、同名の歌謡曲『法善寺横丁』によって広く知られるようになり、横丁という名が定着しました。

2002年9月9日には、隣接する旧中座の解体工事中にガス爆発事故が発生し、19店舗が焼失するという被害に見舞われました。しかし、法規制により原状への再建が危ぶまれたものの、2004年3月にかけて順次営業を再開することができました。

交通アクセス

最寄バス停：「戎橋」バス停（大阪シティバス73号系統）
最寄駅：
地下鉄なんば駅（御堂筋線・千日前線）
大阪難波駅（近鉄難波線・阪神なんば線）

関連項目

千日前
夫婦善哉 (小説) - 織田作之助の小説。法善寺横丁が登場します。
なにわ人情コメディ 横丁へよ〜こちょ! - 法善寺横丁をモデルにした「はなつき横丁」が舞台です。
龍が如く - ゲームシリーズでは「法眼寺横丁」という名前で登場します。

外部リンク

* 大阪千日前 水掛不動尊 法善寺

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