津松菱

株式会社津松菱の概要

株式会社津松菱は、三重県津市東丸之内にある唯一の百貨店で、長い歴史を持っています。設立当初から現在にかけて、地域の人々に愛され続けてきました。津松菱は、同名の系列店が消滅したため、しばしば松菱百貨店や松菱としての呼称も使用されます。

歴史

津松菱は、1936年5月1日に三重県初の大型百貨店として「大門百貨店」としてオープンしました。1955年には、浜松の百貨店「松菱」を創業した谷政二郎によって、入れ替わる形で設立され、その後1963年に現在の位置に移転しました。谷氏は、兄の中林仁一郎とともに、京都の「丸物」を創業した人物でもあります。津松菱もこの旧丸物系の百貨店となります。

東海地方では、岐阜県の岐阜近鉄百貨店や豊橋丸物、丸栄など、同様の系統を持つ百貨店が存在していましたが、現在では津松菱のみが残っており、近畿地方には「草津近鉄百貨店」も存在します。

しかし、平成の初めにあたる1993年には、増床工事に伴って巨額の負債を抱え、バブル崩壊以降の経済状況により売上が低迷し、赤字転落してしまいます。さらに、2001年には浜松市の松菱百貨店が閉店し、津松菱との関係を明言したことで逆に不信感を招く結果となりました。こうした経済的困難を受け、2003年には産業再生機構からの支援を受け、経営改革に乗り出しました。

新たに招聘された社長の中山正勝は、従業員のリストラや店舗の改装、新しいテナントの誘致を進めた結果、経営の立て直しに成功を収めました。さらに経営基盤を強化した津松菱は、12年連続で黒字を確保し続けており、2019年には再び谷家の出身者である谷政憲が社長に就任しました。

特徴

津松菱は、他社のクレジットカードと併用できるポイントカード「マッピーカード」を提供しています。このカードは、現金での利用も可能で、顧客にさまざまな特典を享受してもらえるよう成長を目指しています。また、専用の駐車場を完備し、駐車料金を無料に設定することで、来店客にとって利便性を高める施策を行っています。さらに、松阪市や伊勢市などのエリアでも新たな顧客の開拓に注力している点が特徴的です。

高齢者に対しても配慮し、「お買い物タクシー」というサービスを導入しており、予約をすることで、安価でタクシーを利用できるようになっています。また、自社のインターネット販売サイトを立ち上げ、地元産品の販売や県内旅行商品の取り扱いを行うことで、三重県の魅力を広めています。他の地方百貨店向けに汎用性の高いサイトを目指している点も注目です。

さらに、京王[[百貨店]]など全国の百貨店の催事にも参画し、地域の地場産業や製品を広める取り組みを続けています。

結論

津松菱は、独自の戦略を通じて、地域に根付いた百貨店として進化を続けています。駅からのアクセスがやや不便な立地にもかかわらず、顧客を多様なサービスで集め、地域に密着した存在感を示しています。

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