浮間舟渡駅

東京都北区浮間四丁目に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅です。駅番号はJA 17が付与されています。東京都北区の最も北、そして最も西に位置する駅であり、さらにJR東日本が管轄する「東京都区内」の駅としては最北端にあたるなど、地理的にユニークな特徴を持っています。

概要

当駅は、1985年（昭和60年）の埼京線開業に合わせて新設されました。駅名の「浮間舟渡」は、所在地である北区浮間と、荒川を挟んで隣接する板橋区舟渡という二つの地名から名付けられています。正式な駅の所在地は北区浮間となっています。乗り入れている路線は、線路名称上は東北本線の支線に分類されますが、列車の運転系統においては一貫して埼京線として案内されています。また、当駅と次駅である戸田公園駅の間には、JR東日本の社内的な支社境が設定されています。

歴史

浮間舟渡駅の設置は、埼京線建設計画に伴い具体化しました。

1979年（昭和54年）3月27日：日本国有鉄道（国鉄）により駅設置が決定されました。
1985年（昭和60年）9月30日：国鉄の駅として開業しました。この日は埼京線（大宮～池袋間）の開業日でもあります。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅となりました。
2001年（平成13年）11月18日：ICカード乗車券「Suica」のサービスが開始され、当駅でも利用可能となりました。

駅構造

高架上に設置された、島式ホーム1面2線を有する構造です。ホームは両方向に列車が発着し、駅の新宿寄り（9号車付近）には利用者のための待合所が設けられています。改札口と出口は北側に一箇所のみ設置されています。

駅業務はJR東日本ステーションサービスに委託されており、業務委託駅として運営されています。駅設備としては、多機能券売機や指定席券売機が設置されており、乗車券や特急券などの購入が可能です。

ステーションカラー

1985年の埼京線開業時に新設された駅（北赤羽駅～北与野駅間）には、それぞれ独自のステーションカラーが設定されました。浮間舟渡駅のステーションカラーは、常盤色（■）が使用されています。この色は現在も駅の案内などで引き継がれています。

利用状況

2023年度（令和5年度）における1日平均の乗車人員は21,231人でした。近年の乗車人員は安定して推移しています。

特筆すべきは、毎年8月に荒川河川敷で開催される「いたばし花火大会」の際の利用状況です。当駅は会場への最寄り駅の一つとなるため、花火大会当日は例年非常に多くの人で混雑します。これに対応するため、埼京線では大会当日の夕方以降、通常快速運転を行う時間帯でも全ての列車を各駅停車として運行する臨時ダイヤが組まれ、輸送力の増強が図られています。

駅周辺

駅周辺地域は、荒川に面した地形に位置しています。駅開業前、特に舟渡地区は工業地帯として発展していましたが、埼京線の開通により都心主要駅（大宮、大崎、東京、品川など）への所要時間が約30分程度となり、交通の利便性が飛躍的に向上しました。これに伴い、近年では舟渡一丁目・二丁目をはじめとする地域で、「アイ・タワー」などの高層・中層マンション建設が活発に行われ、住宅地としての性格も強まっています。一方、元々住宅地であった浮間地区は、比較的開発の余地が少なく変化も緩やかでしたが、近年は少しずつ中層マンションの建設も見られるようになっています。

駅の北側には、大きな浮間ヶ池を中心に広がる浮間公園があり、都心に近いながらも豊かな自然を感じられる場所として親しまれています。南側には、地元の学校である北区立浮間中学校や西浮間小学校、また東京都下水道局の浮間水再生センターなどがあります。

駅周辺には、生活関連施設や公共施設も点在しています。

公共施設・その他
北浮間二郵便局、板橋舟渡郵便局
板橋区立企業活性化センター
戸田葬祭場
北区立浮間図書館
志村警察署
国道17号
マルエツ、ウエルシア、スーパーベルクス、オリンピックなどの商業施設
学校
北区立西浮間小学校、北区立浮間中学校
板橋区立舟渡小学校、板橋区立志村第五中学校
中央・城北職業能力開発センター板橋校
公園・緑地
浮間公園
新河岸東公園（浮間子どもスポーツ広場）
荒川土手

バス路線

駅前には「浮間舟渡駅」停留所があり、国際興業バスと日立自動車交通が運行する路線バスが発着しています。周辺地域や近隣の駅へのアクセス手段として利用されています。このほか、国際興業バスの降車専用停留所も設けられています。

運賃計算の特例

特定都区市内制度における「東京都区内」の駅である当駅には、運賃計算上の特例が存在します。着駅が「東京都区内」となる乗車券（東京近郊区間内で完結する場合を除く）で、大宮駅よりさらに北側の駅まで乗り越す場合、運賃計算は実際には川口駅・浦和駅を経由する経路ではなく、当駅を経由する最短距離（浮間舟渡駅～戸田公園駅～大宮駅の経路）で計算されます。これは、大都市近郊区間における選択乗車制度によるものです。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）埼京線では、当駅は以下の駅と隣接しています。

■通勤快速・■快速：当駅は通過します。
■各駅停車：北赤羽駅 (JA 16) - 浮間舟渡駅 (JA 17) - 戸田公園駅 (JA 18)

浮間舟渡駅は、東京都北区の玄関口の一つとして、地域住民の生活を支えるとともに、隣接する板橋区や埼玉県戸田市からの利用者も多い駅です。

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