清原マリア

清原マリアは、安土桃山時代に生きた女性で、キリシタンとして知られています。生没年は不明です。父は清原枝賢で、本名は清原いとと伝えられています。

生涯

清原マリアは、大伯母が細川藤孝の生母であった縁から細川家に奉公しました。その後、細川忠興の正室である明智珠（後のガラシャ）の侍女となります。

天正15年（1587年）、大坂の教会で洗礼を受け、「マリア」と名乗るようになります。同じ年に、主君である明智珠に自ら洗礼を授け、珠はガラシャという洗礼名を得ました。この時、マリアは髪を剃り、ガラシャへの忠誠を誓ったとされています。洗礼を受けた際、宣教師からは「賢く思慮分別があり、奥方（ガラシャ）と同じくらい教義をよく理解していた」と評されたそうです。その後、ガラシャの次男である細川興秋にも洗礼を授けています。

清原マリアは、明智光秀がガラシャの嫁入り時に付けた侍女の小侍従とは別人です。ガラシャが自害した際には、現場には立ち会っていなかったと考えられています。ガラシャの死後、マリアは出家し、寿光院と名乗るようになりました。

系譜

清原マリアは、清原宣賢の曾孫にあたり、父は清原枝賢、兄に清原国賢がいます。
父の枝賢は、公卿を引退した後、儒学者として活動し、松永久秀らに儒学を講じたと言われています。しかし、久秀の要請でキリシタンと論戦を行った結果、それに敗れ、自身もキリスト教に改宗したという逸話が残っています。

メディアでの描写

清原マリアは、数々の映像作品で描かれています。以下は、彼女を演じた人物の一部です。

滝花久子：映画『戦国秘聞』（1955年）
荒木道子：テレビドラマ『聖女像』（1960年、TBS）
清水まゆみ：テレビドラマ『大坂城の女』（1970年、KTV）
桂木梨江：大河ドラマ『おんな太閤記』（1981年、NHK）
賀田裕子：テレビドラマ『関ヶ原』（1981年、TBS）
筒井真理子：大河ドラマ『功名が辻』（2006年、NHK）
吉田羊：大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』（2011年、NHK）

参考文献

色田幹雄「辞世さまざま 紀元前～幕末」、文芸社、2007年、ISBN 978-4-286-02530-8。
京の女性史研究会 編『京の女性史』京都府、1995年。
上総英郎 編『細川ガラシャのすべて』新人物往来社、1994年。ISBN 4404021100。
* 日向志保「ガラシャ改宗後の清原マリアについて」『織豊期研究』13号、2011年。

もう一度検索