清原宣賢

清原宣賢（きよはら のぶかた）

清原宣賢は、戦国時代の公卿であり、同時に卓越した学者でした。1475年に吉田兼倶の三男として誕生し、後に明経博士である清原宗賢の養子となります。官位は正三位・侍従にまで昇り、公卿としての地位を確立しました。

経歴

宣賢は、吉田神社の祠官の家に生まれましたが、明経道の家系である清原家の養子となったことで、学問の道に進みます。主水正、大炊頭、六位蔵人といった官職を歴任した後、1500年に従五位下に叙爵。翌年には少納言に任ぜられ、同時に直講として宮中で講義を行いました。彼は明経道を整理し、和漢の書物を参照しながら著作活動に励みました。1521年には従三位に叙せられて公卿に列し、20年務めた少納言を退任。その後、侍従を経て1526年には正三位に昇進しました。

1529年、宣賢は宮仕えから身を引き、大徳寺で出家して環翠軒宗武と号し、学問に専念する生活を送ります。晩年は越前朝倉氏に招かれ、1550年に76歳でその生涯を閉じました。

業績

宣賢は、国学者・儒学者として多岐にわたる分野で業績を残しました。特に、『職原私抄』『日本書紀神代巻抄』『伊勢物語惟清抄』といった各種の抄物は、現在でも古典研究の基礎資料として重宝されています。これらの著作は、彼の深い学識と緻密な研究態度を示すものです。

また、宣賢は自らの研究や講義のために、先人の講義記録や注釈を丁寧に書き写しました。これらの資料を通じて、当時の口語が後世に伝えられることとなりました。宣賢が作成した講義記録は、日本語学史上においても貴重な口語資料群として認識されており、未だ研究が進んでいない分野も多く残されています。彼の学問に対する情熱と、後世への貢献は計り知れません。

官歴

宣賢の主な官歴は以下の通りです。

1480年：主水正
1484年：大炊頭
1486年：六位蔵人
1500年：従五位下
1501年：直講、少納言
1503年：従五位上
1504年：昇殿
1506年：正五位下
1510年：従四位下
1513年：従四位上
1516年：正四位下
1521年：従三位、少納言を辞任
1522年：侍従
1526年：正三位
1529年：出家
1550年：薨去

系譜

宣賢の系譜は以下の通りです。

養父：清原宗賢
父：吉田兼倶
母：不詳
妻：不詳

生母不明の子女

嫡男：清原業賢（良雄に改名）
女子：智慶院（三淵晴員後室、細川幽斎母）
男子：吉田兼右
男子：等貴（相国寺僧侶、後に還俗し牧庵と号す、医術で知られる）
男子：周清（僧侶、相国寺恵林院南豊軒主）
男子：周康（僧侶、吉田山神光院、早世）
男子：飯川妙佐（後に細川幽斎に属し長岡姓を称す、能楽家・書家）
男子：寿信（僧侶、吉田山神恩院、早世）

また、幕府奉行人の清貞春の養子である清総昌（清四郎）は宣賢の子であるとする説や、飯川妙佐は清四郎の子であるとする説があります。

宣賢の学問に対する真摯な姿勢と、古典研究への貢献は、後世に多大な影響を与えています。彼の遺した著作は、今日においても重要な研究資料として、多くの学者に参照されています。

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