熊谷正寿

熊谷正寿：インターネット黎明期を駆け抜けた起業家

熊谷正寿（くまがい まさとし）は、1963年7月17日生まれの日本の経営者であり、GMOインターネットグループの創業者です。現在、同社の代表取締役会長兼社長・グループ代表を務めています。長野県東御市（旧東部町）出身で、東京都で育ちました。國學院高等学校を中退後、放送大学に在籍しましたが、こちらも満了除籍となっています。血液型はB型です。

創業と成長

1991年、熊谷氏はGMOの前身となる株式会社ボイスメディアを創業しました。当初はダイヤルQ2を利用した出会い系コンテンツの配信や専用機器の販売を行っていましたが、インターネットの普及に着目し、1995年に商号をインターキュー株式会社に変更。インターネット事業に本格的に参入しました。その後、1999年には株式を上場させ、独立系ネットベンチャーとして国内初の快挙を成し遂げました。

多彩な趣味と活動

熊谷氏は、経営者としての顔だけでなく、多岐にわたる趣味を持つことでも知られています。自動車やバイクの運転免許はもちろん、航空機やヘリコプターの自家用操縦士資格、小型船舶操縦士（1級）の資格も保有しています。また、自身で航空機やヘリコプターを所有し、「SKY KUMARKⅡ」「SKY KUMARKⅢ」と名付けています。

犬好きであり、美術品コレクターとしても知られ、現代アートを中心としたコレクションをGMOのオフィスで展示しています。長野県出身であることから軽井沢を「ふるさと」と語り、愛着を持っているようです。

「挑戦を通じて笑顔を増やす」ことを趣味としており、自身の原動力は「笑顔を見たい、驚かせたいという気持ちと、学歴をはじめとする多くのコンプレックス」だと述べています。この言葉からは、熊谷氏のチャレンジ精神と、その根底にある人間味が感じられます。

学生時代

中学生時代は全く勉強をせず、高校進学の際には、共学で華やかな青山あたりにある学校を探したといいます。当初は先生から「偏差値が高すぎて無理だ」と言われたものの、猛勉強の末、國學院高校に首席で入学します。しかし、入学後に「自分はやりゃできる」と勘違いして勉強を怠けた結果、成績は学年500番台にまで落ちてしまいます。その後、高校を中退し、放送大学に入学するも、多忙のため除籍となり、高校、大学ともに中退という珍しい経歴の持ち主です。

思想と家族

嶋中雄二の著書に影響を受け、景気循環と太陽黒点周期が連動するという説を信じています。また、キリスト教徒でもあります。熊谷氏の母方の祖母は、幕末の剣術家・伊庭八郎を輩出した心形刀流宗家の傍系出身です。曽祖叔父には音楽評論家の伊庭孝がいます。祖父は、原敬の側近を務めた政治家・熊谷巌であり、実父は不動産、飲食店などを経営する熊谷興業の創業者です。20歳で結婚し、翌年に子供をもうけています。

略歴

熊谷氏の会社設立から現在までの主な出来事は以下の通りです。

1991年：株式会社ボイスメディア設立。
1995年：インターキュー株式会社に商号変更。
1999年：JASDAQに株式上場。
2000年：連結子会社「まぐクリック」ナスダックジャパンに上場。
2001年：グローバルメディアオンライン (GMO) に商号変更。
2004年：東京証券取引所市場第二部上場。
2005年：GMOインターネットに商号変更、東京証券取引所市場第一部へ上場。

その後も、グループ会社の上場を次々と成功させ、GMOインターネットグループを一大企業グループへと成長させました。また、新経済連盟理事や教育再生・東京円卓会議委員などの公職も歴任しています。

受賞歴

数々の賞を受賞しており、代表的なものとして以下が挙げられます。

1999年：日本経済新聞「市場が選ぶ99年新規店頭公開企業5位」。
2000年：日経ベンチャー「99年ベンチャーオブザイヤー」（新規公開部門2位）。
2013年：第38回経済界大賞「優秀経営者賞」。
2016年：経済誌「財界」による財界賞・経営者賞。
2017年：経営誌「企業家倶楽部」が主催する第19回企業家賞で「企業家大賞」。
2022年：経済誌「経済界」が主催する第46回経済界大賞で「特別賞」。
2022年：長野県東御市への私財寄附に対し「紺綬褒章」を受章。

著書

ビジネスや自己啓発に関する著書も複数出版しています。

『一冊の手帳で夢は必ずかなう』
『20代で始める「夢設計図」』
『情報整理術クマガイ式』
『新しい部活のつくり方 地域移行にともなう指導者の教科書』（共著）

まとめ

熊谷正寿は、インターネット黎明期から活躍し、GMOインターネットグループを築き上げた、日本の代表的な起業家の一人です。型破りな経歴を持ちながらも、数々の成功を収めてきた背景には、独自の哲学とチャレンジ精神があります。その生き方は、多くの起業家やビジネスパーソンにとって、大きな刺激となるでしょう。

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