牛ノ谷駅

牛ノ谷駅：歴史と自然が織りなすローカル線の魅力

福井県あわら市に位置する牛ノ谷駅は、ハピラインふくい線に属する、歴史と自然豊かなローカル線の駅です。1918年、北陸本線の信号所として開業し、1921年には駅に昇格。以来、地域住民の足として、長きにわたって利用されてきました。

変化に富む歴史

牛ノ谷駅の歩みは、日本の鉄道史を映す鏡でもあります。1948年の福井地震では駅舎が傾斜する被害を受けましたが、同年中に復旧。その後、貨物取扱の廃止を経て、1971年には無人駅となりました。1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となり、2018年にはICOCAの利用が可能になりました。そして2024年3月、北陸新幹線の金沢―敦賀間開業に伴い、ハピラインふくい線の駅として新たな出発を迎えました。

駅舎と構造

牛ノ谷駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。ホームはカーブしており、下りホームの方が上りホームよりも高くなっています。駅舎は線路の東側にあり、ホームとは構内踏切で繋がっています。北陸新幹線敦賀延伸までは無人駅で、自動券売機はありませんでしたが、ICカード専用簡易改札機とトイレが設置されています。

注目すべきは、そのロケーションです。駅のすぐそばを北陸自動車道が走り、北陸本線は熊坂トンネルに入る手前でアンダークロスしています。また、福井県最北端の駅であり、駅から約500m北にある熊坂トンネルを抜けると石川県となります。このため、ハピラインふくい線の最北端の駅という位置づけも持っています。

利用状況と周辺環境

2019年度の1日平均乗車人員は約22人です。静かで落ち着いた雰囲気を持つ駅周辺は、牛ノ谷峠（国道8号）へのアクセスも良く、自然豊かな環境に恵まれています。福井県道124号牛ノ谷停車場線が駅前にあり、周辺地域へのアクセスを担っています。

ノスタルジックな雰囲気

ICOCA導入時に設定されたのりば番号、そして接近警告機のメロディー（下りホーム：「村の鍛冶屋」、上りホーム：「エリーゼのために」）など、細部にもこだわりが感じられます。これらの要素が、牛ノ谷駅に独特のノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

未来への展望

北陸新幹線の開業により、牛ノ谷駅は新たな役割を担うことになりました。これまで以上に地域活性化に貢献し、多くの人々に愛される駅として、更なる発展が期待されます。歴史と自然、そして人々の温かさを感じることのできる、そんな魅力あふれる駅です。

参考文献

川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日。ISBN 978-4-06-270065-8
『週刊JR全駅・全車両基地18 北陸本線②（森本～米原） 越美北線』朝日新聞出版、2012年12月9日

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