田んぼアート

田んぼアートとは

田んぼアートは、広大な田んぼをキャンバスに見立て、色の異なる稲を植えることで巨大な絵や文字を作り出すアートです。このユニークな取り組みは、地域活性化の一環として始まり、現在では日本各地だけでなく、海外でも楽しまれています。特に大規模な作品は、斜め上から見下ろすことを前提に設計されており、遠近法を考慮して稲が植えられています。

使用される稲の種類

田んぼアートに使われる稲は、主に以下の3種類に分類されます。

1. 背景の緑部分: 現代の食用として広く栽培されている品種を使用します。
2. 図柄の部分: 古代米と呼ばれる在来種のうち、葉の色が濃い紫や黄色のものを使用します。
3. 観賞用品種: 公的機関で葉や穂の色が鮮やかなものを育成した品種を使用します。これらの稲の色を組み合わせることで、緑、黄緑、濃紫、黄、白、橙、赤など、多彩な色を表現することが可能です。

歴史

田んぼアートは、1993年に青森県南津軽郡田舎館村で始まりました。村おこしの一環として、村役場の裏手の田んぼでスタートしたこの取り組みは、2010年以降に日本全国へと広がり、全国田んぼアートサミットも開催されるようになりました。2020年代には、中華人民共和国でも行われるようになっています。

田舎館村の取り組み

田舎館村では、村役場の東側にある約1.5haの水田が主な会場です。2012年からは、道の駅いなかだて内の田んぼも第2会場として利用されています。当初は3種類の稲（黄稲、紫稲、「つがるロマン」）を使用していましたが、2006年には赤色系の苗を加えて5種類、2011年にはさらに新色を加えて7種類となり、現在では11種類7色の稲が使われています。村役場と道の駅には展望室が設けられており、田んぼアートを鑑賞することができます。毎年多くの観光客が訪れ、田植えや稲刈り体験も行われています。2008年には、運営費をまかなうために広告を掲載しましたが、地権者との間でトラブルが発生し、広告部分の苗が抜き取られるという出来事もありました。

2013年には、弘南鉄道弘南線に田んぼアート駅が開業し、役場前の第1会場と第2会場を結ぶシャトルワゴン車の運行も開始されました。また、田んぼアートの「Rice Code」がカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで複数の賞を受賞しています。

田舎館村での作品テーマ

田舎館村では、主に日本の芸術作品をモチーフに田んぼアートが制作されています。過去の作品テーマには、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、棟方志功の作品、東洲斎写楽や喜多川歌麿の浮世絵、葛飾北斎の「富嶽三十六景」、戦国武将、アニメキャラクター、歴史上の人物などがあります。毎年異なるテーマで、訪れる人々を楽しませています。

その他の開催地

田んぼアートは、田舎館村以外にも、日本各地で開催されています。

北海道：旭川市、鷹栖町
青森県：田舎館村
岩手県：奥州市
秋田県：秋田内陸縦貫鉄道沿線、八郎潟町
山形県：米沢市
福島県：鏡石町、相馬市
新潟県：新潟市北区
群馬県：川場村
茨城県：つくばみらい市
埼玉県：行田市、越谷市
福井県：越前町
富山県：砺波市
静岡県：菊川市
愛知県：安城市、西尾市
滋賀県：甲賀市、長浜市
京都府：宇治市、京丹波町
兵庫県：姫路市
岡山県：津山市
香川県：善通寺市
熊本県：上天草市
鹿児島県：南九州市

行田市の取り組み

埼玉県行田市では、古代蓮の里の展望室から見渡せる大規模な田んぼアートが有名です。2015年には、世界最大の田んぼアートとしてギネス世界記録に認定されています。

ギャラリー

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関連情報

田んぼアートの関連情報として、以下のものがあります。

ミステリー・サークル: 麦畑などに現れる謎の円形模様。
クロップマーク: 地中の構造物が地表に現れる跡。
ヒルフィギュア: 丘陵に描かれた巨大な図形。
わらアート: 稲わらを使った屋外アート作品。
田んぼアート駅: 田んぼアート鑑賞のために設置された駅。

外部リンク

田んぼ団ホームページ
田んぼアート米づくり体験事業推進協議会
田舎館村、1000人の力で田んぼに巨大なアートを創ろう
ふれあい田んぼアート安城
福島潟田んぼアート
田んぼアート/総合ホームページ
田んぼアート/JAたいせつ青年部
田んぼアート/アグリ堀坂

これらの情報を通じて、田んぼアートの魅力と奥深さを感じていただければ幸いです。

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