古代米

古代米とは

古代米とは、現代において栽培されているイネの品種のうち、「古代から栽培していた品種」または「古代の野生種の形質を残した品種」として扱われるものを指す言葉です。これは農学的な分類ではなく、主に販売上の宣伝文句として用いられています。そのため、古代米に属する品種の範囲は明確に定義されていません。一般的には、赤米、黒米、緑米などの色素米が古代米として知られていますが、香米や、丈が高くノギが尖っているなど野生種的な特徴を持つ品種も含まれることがあります。

古代米の種類

古代米には、以下のような種類があります。

赤米: タンニン系の色素を含み、健康に良いとされています。
黒米: アントシアニン系の色素を含み、ビタミンCやミネラルも豊富です。
緑米: クロロフィル系の色素を含み、健康に良いとされています。
香米: 特徴的な香りを持ちますが、目立った効能は発見されていません。

これらの古代米は、日本の在来品種や外来品種だけでなく、近年、農業試験場で育成された品種も流通しています。ただし、育成品種は古代そのままの米ではないため、在来品種のみを古代米とみなす考え方もあります。しかし、在来品種も縄文・弥生時代そのままの品種であるという確証はありません。

古代米の利用

古代米は、他の雑穀と混ぜて雑穀米として食べられることが多いです。また、日本酒の原料や米粉として、お菓子やパン、麺などにも利用されます。

古代米の現状

健康ブームやスローフードの流行により、古代米は近年注目を集めており、全国で栽培が進んでいます。地域によっては、町おこしや村おこしの一環として取り組まれており、古代へのロマンをセールスポイントとして、歴史的な遺跡がある観光地との親和性が高いです。また、古代米の生育力の高さを活かして、管理が難しい棚田の維持にも活用されています。

海外での古代米

海外では、ジャポニカ種、インディカ種、ジャバニカ種の赤米、黒米、緑米が「Wild rice」として販売されています。特に北米大陸では、近縁種であるアメリカマコモの種子が古くから食用とされており、現在もワイルドライスとして利用されています。

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