田辺駅

Osaka Metro（大阪市高速電気軌道）谷町線の駅である田辺駅は、大阪府大阪市東住吉区田辺一丁目に位置し、駅番号は「T30」が付与されています。地域における重要な交通結節点の一つです。

田辺駅の歴史は、谷町線の延伸に伴い始まりました。1980年（昭和55年）11月27日、谷町線が天王寺駅から八尾南駅まで延伸された際に開業した駅です。この駅は、かつて存在した南海平野線の田辺停留場に代わる役割を担うとともに、廃止された股ヶ池停留場の一部機能も引き継いだと考えられています。その後、2018年（平成30年）4月1日には、大阪市交通局の民営化に伴い、Osaka Metroの駅として新たなスタートを切りました。

田辺駅は地下に島式ホーム1面2線を有する構造ですが、特筆すべきはその駅施設の位置です。地下鉄駅としては珍しく、改札口やコンコースが地上階に設けられており、阪神高速道路の高架下に駅舎があります。これにより、利用者はまず地上の駅舎で改札を通り、そこから地下のホームへ移動することになります。駅の管理体制としては、平野管区駅に属し、平野駅によって管轄されています。バリアフリー設備も整備されており、駒川中野駅と同様に、地上階の改札口と地下1階のホーム階を結ぶ上りエスカレーターやエレベーターが完備されています。かつて改札内に売店がありましたが、2011年1月末に閉店しています。

田辺駅の利用状況を見ると、2024年11月12日の一日あたりの乗降人員は9,379人でした（乗車人員4,809人、降車人員4,570人）。Osaka Metro谷町線の全駅の中で比較すると、この数値は最も少ない乗降人員となっています。各年度の特定日における詳細な利用状況は、公表されている統計情報で確認できますが、例えば1995年度の記録は翌年の調査に基づくものです。利用者は他の駅に比べて少ないものの、地域住民の日常的な移動手段として重要な役割を担っています。

駅周辺には、地域の暮らしを彩る様々な施設や名所が点在しています。緑豊かな桃ヶ池公園は、市民の憩いの場として親しまれており、公園内には桃ヶ池公園市民活動センター（旧大阪市立阿倍野青年センター）もあります。歴史的な場所としては、法楽寺や西元寺といった寺院があり、さらに第二次世界大戦中に模擬原爆が投下された跡地も近隣に位置しています。教育施設としては大阪市立田辺小学校があり、郵便局として東住吉北田辺郵便局も利用可能です。交通網としては、阪神高速14号松原線や大阪府道26号大阪狭山線といった主要道路が近くを通っており、自動車でのアクセスも比較的容易です。

Osaka Metro谷町線において、田辺駅（T30）の北隣の駅は文の里駅（T29）であり、南隣の駅は駒川中野駅（T31）です。これらの駅と谷町線で結ばれており、大阪市内の主要エリアへのアクセスが可能です。

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