田部美術館

田部美術館の概要

田部美術館（たなべびじゅつかん）は、島根県松江市に位置する登録企業博物館であり、1979年11月3日に開館しました。この美術館は、公益財団法人田部美術館によって運営されており、地域の文化交流の場として機能しています。

設立の背景

美術館は、衆議院議員や島根新聞社の社長、そして島根県知事を歴任した田部長右衛門によって設立されました。彼は財団法人田部美術館を構想し、その基盤を築きました。設立当初から、田部家に伝わる茶道関連の美術品がコレクションの中心を成しており、日本の茶道文化の重要性を伝える役割を担っています。

立地と建築

美術館は松江城の堀川に沿った美しい景観の地区、塩見繩手に位置しています。外から見ると、長屋門だけが目に入りますが、門をくぐると1979年に竣工した本館が、その独特のデザインで来訪者を迎え入れます。この建物は著名な建築家菊竹清訓の設計によるもので、入母屋造りの構造と鋼板葺きの屋根が特徴的です。

コレクションの魅力

田部美術館では、多数の貴重な茶道具を所蔵しています。その中でも特に注目されるのは、青井戸茶碗「秋埜」で、不昧旧蔵の一品です。また、原羊遊斎によって作られた大菊棗や、松平不昧の筆による「野生」なども展示されています。他にも、下間庄兵衛の面取釜や、土屋雲善の布志名色絵林和靖図の六角鉢など、見逃せない作品が揃っています。

館内施設と訪問情報

美術館の館内には、抹茶を楽しむことのできる喫茶室もあり、訪れた人々は本格的な日本の茶文化に触れることができます。開館時間は午前9時から午後4時30分までとなっており、月曜日は休業日ですが、祝日の場合は開館します。臨時で休館する場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

アクセス

アクセスは非常に便利で、山陰本線の松江駅から松江レイクラインを利用すると約18分で「小泉八雲記念館前」バス停に到着します。そこからは徒歩約3分で美術館にアクセス可能です。また、タクシーを利用すると松江駅から約10分で到着します。自動車の場合は、山陰自動車道の松江中央インターチェンジまたは松江西インターチェンジから約15分と非常にアクセスしやすい立地です。

周辺観光地

美術館の周辺には観光スポットが多数あり、松江城や小泉八雲旧居、小泉八雲記念館などがあります。武家屋敷や明々庵も近く、文化的な散策を楽しむことができるため、訪れる際には併せて周辺を探索すると良いでしょう。

田部美術館は、西日本における茶道文化の重要な保存と発信の拠点として、訪れる人々に多くの学びと感動を与える場となっています。

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