白山坊

白山坊

白山坊（はくさんぼう）は、白い狐の妖怪で、100年以上生きた古狐が妖怪と化したものとされています。水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪として知られています。

特徴

布をまとった白い狐の姿をしており、強力な妖力を持つとされます。無生物に化けたり、操ったりする能力を持ち、術をかけることで人間に幸運を授けたり、人の心を操ることも可能です。原作では単独で行動することが多いですが、シリーズによっては言葉を話せる狐を従者として連れている場合もあります。

物語としては、危機的な状況にある人間に対し、「命を助ける代わりに、娘が16歳になったら嫁にもらう」という契約を持ちかけるパターンが多く、異類婚姻譚の要素を含んでいます。嫁にもらった娘を食べようとする展開が特徴的です。

由来

江戸時代の奇談集『絵本百物語』に記録されている狐の妖怪・白蔵主がモチーフになったという説があります。

ゲゲゲの鬼太郎での活躍

原作

週刊少年マガジン1967年50号掲載の『白山坊』に登場します。不運続きで自殺を考えていた男、橋本正吉に取引を持ちかけ、幸運を与える代わりに、生まれたばかりの娘、花子を15年後に嫁に差し出すという契約をします。正吉はそれに応じ、大金持ちになります。

15年後、悩む父の姿を見た花子は砂かけ婆に相談します。砂かけ婆の占いによって、白山坊が花子を食べるつもりだとわかり、身代わりとして同じ生年月日の娘の遺髪の灰を、白山坊のねぐらである稲荷堂の周囲に撒くように指示されます。鬼太郎と共にそれを行った結果、白山坊は橋本家に侵入しルビーの首輪に化けます。花子がそれを拾うと正体を現し襲い掛かりますが、鬼太郎と砂かけ婆が用意していた蜂に刺され神経が麻痺し、石に化けます。しかし、蛾の卵を産み付けられ、石に化けたまま内臓を食い尽くされて死にます。その後、蛾は巨大な姿で羽化し飛び去り、短い一生を終えます。

鬼太郎には、人の弱みにつけこむ「昔っからエッチな妖怪」と評されています。

新妖怪千物語

9話「妖狐 白山坊」に登場します。原作を下敷きにした構成で、アニメ第3作・第4作の要素も含まれています。心中しようとした橋本正吉とその妻に、原作同様の取引を持ちかけます。娘・美晴を喰らうことで妖力を高め、大妖狐になろうとします。

正吉の妻は、猫目石のペンダントをお守りとして美晴に遺し亡くなります。それをコンビニで紛失した際、店員の猫娘が探し出したのがきっかけで鬼太郎に取引が知られます。白山坊は迎えの駕籠に化けて美晴を連れ去ろうとしますが、身代わりに変装した猫娘に邪魔されます。本物の居所を聞き出そうと狐火で鬼太郎達を攻撃、彼らが傷付くのをいたたまれず出てきた美晴に襲い掛かるも、猫目石のペンダントが持つ魔除けの力に阻まれます。美晴に催眠術をかけペンダントを手放させようとしますが、鬼太郎によってそれを呑み込まされ、猫目石に封印されます。

アニメ

アニメ版には第1作目の続編である第2作目を除いて、全てに登場しています。声優は、シリーズによって異なり、内海賢二、はせさん治、大塚周夫、高木渉などが演じています。第5作を除いて、ストーリーの骨格は原作を下敷きにしています。第4作までは凶悪な敵として描かれることが多いですが、第5作以降は鬼太郎たちの仲間となることもあります。人間の娘と正式に結ばれるのは、第6作が初となります。

各シリーズでの登場エピソードや展開は、シリーズごとに異なり、様々な形で白山坊のキャラクターが描かれています。

第6作では、過去のシリーズとは異なり、人間には危害を加えない妖狐の元締めとして描かれ、人間の娘との恋愛模様が描かれるなど、新たな一面を見せています。

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